2015年4月9日木曜日

【読書】リスクを取らないリスク

「リスクを取らないリスク / 堀古 英司」
を読みました。

とても、心に届く言葉が多く
金融の本でなく、自己啓発の本だとも思いました。
お金のこともそうですが、
「資本主義とは」という根本をわかりやすく
この本は教えてくれます。

自分のために残しておきます。




リスクは単に「回避しておけばよい」というものではないのです。


「リスクテイカー(リスクを取る人)になれ」


日本で生まれ育っている方は、
世界的に見ても特にリスク回避傾向が強いと感じています。


リスクに関する鉄則のひとつとして
「ハイリスク・ハイリターン、ノーリスク・ノーリターン」


例えば「元本保証、年率5%配当」などとうたって資金を集めます。
今の日本で、元本が保証されて年率5%ものリターンがが稼げる案件であれば、
銀行が2%程度で貸してくれるので、
一般に資金を募る必要はないはずです。
元本保証か、年率5%かどちらかが嘘なのです。


リーマン・ショックがなければ
アメリカ経済はリセッション(景気後退局面)に入ることはなかったでしょう。
アメリカは金融危機を通じて失った雇用を取り戻すのに6年以上かかりました。
しかし、長期的に見れば、リーマン・ブラザーズを救済しないことによって
自己責任のルールを守ったことは非常に大きな意義があったと思います。
「失敗してもどうせ政府が救済してくれる」にはならなかった。

アメリカと日本では、中央銀行の目的に大きな違いがあります。
その違いがこれまで長い間、
ドル安・円高をもたらしてきた大きな要因といっても過言ではありません。

連邦準備法の条文では「雇用の最大化」「物価の安定」「適切な長期金利」と
3つの目的が定められています。
これに対して、
日本銀行法の条文では「物価の安定」が
唯一の使命であるように見えます。


アメリカの金融危機が円高を通じて日本に「輸出」され、
その後日本の景気は大きく落ち込みました。
リーマン・ショックはアメリカでの出来事だったのに、
それが結局、日本経済を直撃することになってしまったのです。
当時の日本にとっての大きな問題は2つありました。
ひとつは円高であり、もうひとつは財政赤字恒常化に伴う巨大借金でした。
この2つを同時に解決する方法があります。

円高を止めると同時になんとか借金を減らすには、
通貨を発行し、それで市場から国債を購入する、
という操作を実行しなければならなかったのです。
そうすることによって日本はアメリカからの金融危機の「輸出」を防ぐと共に、
借金を減らすことができたはずなのです。

具体的に申し上げれば、日本銀行が国債を購入すれば同じ結果になります。
国債を市場から買い上げ、日本円を市場に供給する操作になるからです。
しかし実際に日本銀行が大量に国債を購入しはじめたのは、
それから3年も経った2013年の春でした。

経済の前提その1:人間は弱いもの
経済の前提その2:人間はリスクを回避したがるもの

「何もしないことが正解」の時代は終わった。
日本は変動相場制に移行した1973年以降2012年まで、
大まかな方向としてほぼ一貫してドル安・円高を経験してきました。
資産を円で持つ人にとって、ほとんどの局面で何もしないことがむしろ正解だったわけです。
長い目で見て、ドル安・円高の時代は2012年で終了したと思っています。

ここで重要なのは今後、
これまでの40年間とは全く逆の時代が待ち受けているということです。
すなわち、これまでの「何もしないことが正解」という時代ではないのです。


住宅に関するリスク
相続するか、借りるか、購入するか。建て替えや改装も必要になったり、
住宅ローンを長期で抱えたり、持ち家がなければ
長期間にわたって家賃を払い続けなければならず
年金の大半を費やしてしまう、ということにもなりかねません。
住宅というのは、
人間が生まれながらにして背負っている大きなリスクだということです。

住宅リスクを分析するにあたってわかっていることは、
第一に、人間は仕事のある場所の近くに住むものだということです。
ですから、将来に渡って仕事をする場所がほぼ分かっている場合は、
住宅リスクへの対応は比較的難しくありません。

第二に、労働人口が減少していく日本では、
全体として土地が余っていく可能性が高いということです。

1990年前後のバブル期のように
住宅が入手できなくなるほど高価格になる事態も考え難いと思います。
もし住宅価格が上昇しているとすれば、
それは株式がもっと値上がりしているでしょうから、
むしろ住宅よりも株式を保有していた方が有利でしょう。

決めるということはリスクを取ることです。

住宅の購入というのは、
ほとんどの人にとって人生最大の買い物だと思います。
この大きなリスクに対して失敗を避ける方法は
次の4点に注意しながら検討することです。

①いざというときにも貸せる、便利な住宅を選ぶ
保有者とって最悪は売却時住宅価格が住宅ローンを下回ること、
住宅を失った上に借金が残る形になり売るに売れなくなります。
もし、容易に貸せる住宅であれば、
自分は安い住宅に移って住宅ローンの返済を続けるなど
柔軟な対応を取ることができます。

②比較的手頃な物件を選ぶ
相続税納税のために高額物件を手放さざるを得なく事態に、
不動産は株式や債権と違い、
いざというときに市場価格ですぐに売れる資産ではありません。
高額物件になればなるほど、
購入できる人の数も限られてきますので、
売れるまでの期間も長くなってしまいます。

③自分の収入で十分返済可能な金額を計算して住宅ローンを借りる
住宅ローンを借りている期間は長く、
その間には色々な経済情勢の変化が起こり得ます。

④キャッシュがあったとしても、できるだけ住宅ローンを利用して住宅を購入する
日本のように低金利で住宅ローンを借りられる恵まれた状態は利用すべきで、
余裕資金があるなら、もっと高いリターンを生む投資に回すことができるからです。

人口が減少していく日本では、
長期的に見て不動産が魅力ある投資対象であると思えません。
リスクを取る対象は株式。

今後の人口の伸び率の推計は、
アメリカやカナダ、次にフランスやイギリスなど
移民の受け入れに前向きな国の伸び率があがっています。

資本主義とは基本的に、
努力した人、リスクを取った人にご褒美を与えるシステムです。
しんどいから、他人ができないことをやるからご褒美がもらえるのであって、
好きなこと、やりたいと思っていること、
誰でもできること、楽なことをしていてもご褒美はもらえないのです。

「他人ができないことをやる」
この場合「他人」はコンピューターやロボット、
そして新興国のような安い労働力なども含むものとします。
なるべく他人ができないことを意識してください。

そして、自分が取ったリスクに対するリターンを
最大限にするにあたっては、3つの「力」を養っていく必要があります。

①信用力
②体力
③胆力
です。これらはいずれもお金で買えない、
個人でコツコツと積み上げていくしかないものものばかりです。

経済学で「資源の呪い」という現象があります。
要するに、資源に恵まれた国の経済成長率は、
そうでない国の成長率を下回る傾向があるというものです。
その一因はオランダ病といって、
資源に恵まれた国の通貨がたかくなることによって
他の産業の競争力が低くなること、されています。
同時に指摘されるのは、
その国の国民は資源に恵まれ、楽に外貨を得られることに
あぐらをかいて働かなくなってしまうというものです。






「僕はよくリスクテイカーだと言われます。
でも、本当はそうじゃない。
限りある自分の 人生を、精一杯やったんだと思いたいだけ。
人生を後悔するという最大のリスクを回避し ているんです。」
(三木谷 浩史)

なんしか、カッコいい大人になろう。

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