2013年10月18日金曜日

【読書】Bボーイサラリーマン

「Bボーイサラリーマン / HIRO (EXILE)」
を読みました。

エグザイルの音楽自体には、それほど興味は無かったのですが。

リーダーのHIROさんに関して、前から興味がありました。

(興味がないとは、CDを買ったり、ライブに行ったりというほどの興味はないという意味です。
ポピュラーミュージックなので、もちろん耳にしています。好きです。)

それは、ZOOで一回成功して、どん底を味わったとか。
EXILEは、自分たちで会社という組織にしたとか。
なんとも、熱い男だとか。
そんな噂を聞いたことがあり興味がありました。

HIROさんをTVなどの映像で見ると、
EXILEメンバーの最年長として頑張ってトレーニングしている姿や
何とも優しそうな目に大変好感が持てます。

また、私生活では上戸彩との結婚など話題に事欠かない
元ZOOであり、EXILEのリーダーであり、
株式会社LDH代表取締役であるHIROの半生の自伝です。
(社名は、Love, Dream, Happiness の頭文字だそうです。)

2005年に発表されて、2009年に文庫化されたようですね。
それ以降の活躍を考えると、やはりすごいの一言です。
今年2013年いっぱいで、EXILEのパフォーマーを勇退すると発表されました。
44歳まで、最前線で活躍するって、想像を絶する努力をされていたのでしょう。

改めて、カッコいい大人になりたいと思える本でした。
(自分のために、心に残った本文を抜粋・一部変更して残しておきます。)



父親は普通の勤め人だった。
「オヤジみたいにだけはなるまい」
いつも心の中でそう思っていた。
父親の生き方に限ったわけではなく、
大人の作り上げている社会すべてに対してそう感じていた。


マハラジャでの仕事は軍隊並に厳しかった。
殴られるくらいは、あたりまえ。始業前には、「朝礼」があった。
従業員は、円陣を組み、社訓を叫ばなきゃいけなかった。
「人に愛、おのれに汗を忘れるな!」
いまでもあのフレーズは覚えてる。


面倒なことは、一切やらない。
俺は、徹底的に自分勝手にやる。
30歳まで生きりゃ、それで十分なんだから。
何の悔いもなく死ねると思っていた。
それが「いまを生きる」ってことだと思っていた。


「ZOOやめたとたんに、手のひら返しやがって。
昔は、出演してくださいって、頭下げてたくせに」
文句をいっても、何も始まらない。
不満は、何も生みはしない。
愚痴をいっても、前には、一歩も進めない。
そんな簡単なことも、あの頃の俺にはよく分からなかった。


26年という遊び続けの半生を振り返ったとき、
俺が唯一本気で打ち込んだといえるのは、やはりダンスだった。
そのダンスで、もう一度、世の中と勝負しようと思った。


もう一度、武道館に立ちたいと思った。
そんな夢を抱きながら、俺は、ただ踊っていた。
悔しい思いもした。
惨めな思いもずいぶんした。
それでも、躍るしかなかった。
どこかへ逃げようにも、逃げ場はどこにもなかった。
それが夢を叶えるための、たった一つの手段だったから。


俺はまだ死んだわけじゃない。
もう誰にも絶対負けない。
「絶対ぇ、もう一回やってやる」
そのことばかり、思い詰めていた。


ドリカムさんのサポートメンバーをしたときのこと―。
リハーサルのステージでミワちゃんがみんなに声をかけた。
「みんな自分のお金でチケット買って来てくれるんだから、
私たちは心をこめて、一生懸命やろう!」
彼女にすれば、何気ない、あたりまえの一言だったと思う。
けれど、俺は、やたら感動した。
稲妻に打たれたような気がした。
そんなこと、考えたこともなかったから。
ドリカムは、本物のプロフェッショナルの集まりだと思った。
お客は、ただ客席で歓声をあげているだけの存在じゃない。
彼らは、チケットを買ってここに来てくれているんだ。
その思いに、真正面から応えるのがプロってもんじゃないか。

そのすべてを相手に、
俺にできることは、たった一つしかない。
ミワちゃんのいう通りなのだ。
俺はいったい、何をやっていたんだろう?


満員電車に揺られて、
仕事場に通うだけの親父みたいにはなりたくないだって?
オヤジが、何を背負って毎日仕事場に通っていたか。
俺には見えていなかったのか?
そんなこと、ずっと前から知っていたはずだ。
その背中に背負われて、
俺はいまここにいるんじゃないか。

オヤジをなめんなって、思う。

好きで通勤電車に乗るやヤツなんていない。
あの人たちは、大切な物を守るために、
コドモの俺には、退屈で平凡で陳腐としか映らない日々を生きていたのだ。
そんなこと、一言も口に出さずに。
若いヤツらがどんな目で見ようが、
他ならないその大切なものからバカにされようが。
それって、すごくカッコ良いことじゃないか。


俺たちの出会いから10年、
松浦さんは、エイベックスの専務になっていた。
J Soul Brothersを世に出すために、
ブッチャケていえば、俺は松浦さんに頭を下げたのだ。

酒の席で会えば、陽気な松浦さんのことだ。
「ちょっと踊ってよ」ということになる。
そんなことはお安い御用だ。
俺は一人で「Choo Choo TRAIN」でもなんでも喜んで踊った。

こんなことは、何でもない。
俺には、でっかい目的があるんだ。
周りにいるのは、ただの外野。
俺はソファの真ん中に座る人のために踊っていた。
その人だけは、何のわだかまりもなく、
澄んだ目で俺を見つめ、ただ嬉しそうに懐かしいダンスを楽しんでくれていた。
もしかしたら、その冷静な目の奥底で、俺の根性を測っていたのかもしれない。
コイツは本当に、
自分の口から出たことを、やり抜く意志があるのだろうか、と。



「絶対に、もう一回やってやる」
あまりに自分が情けなくて、悔しくて。
だから、行動を変えようと思った。
とはいえ、できることは目の前にしかない。
頭がおかしくなるくらい夢中になっていたギャンブルをすっぱりやめた。
毎晩、クラブに通う生活もやめた。
女の子に嘘をつくのもやめた。
そういうところから、はじめるしかなかった。

カッコつけるのはやめよう。
俺たちが回ったのは、クラブだけではない。
呼ばれればどこへでも行った。
地方のショッピングセンターの特設ステージにだって喜んで立った。

テレビに出演できるのが、
あんなに嬉しいとは思わなかった。
ZOOだった頃は、
二日酔いでスタジオに出かけたことすらあったのに。
その喜びがあるのも、ここまで階段の一歩一歩を、
すべて自分たちの足で登って来たのだからこそだ。
そのことを骨身に染みて感じていた。
この感覚だと思った。
俺は、この感覚を忘れちゃいけない。

あの頃の失敗を、もう一度繰り返すつもりはなかった。
自分たちのステージを、自分たちで作るべきときが来たと思った。
昔の俺を知ってるヤツがきっと耳を疑ったに違いない。
俺たちは所属していた事務所を離れ、会社を作ることにした。
税金対策のための、いわゆる個人会社ではない。
メンバーそれぞれがようやく入り始めた印税の中から50万円ずつ出資した。
50万円×6人で300万円。
有限会社を設立するのに必要な、3
00万円の資本金をなんとか捻りだして作った、
本物の俺たちの会社だ。
俺たちはその所属タレントでありながら、
同時に社員ということになった。
その気になって、みんなで名刺まで作った。
俺の名刺には、こう印刷されていた。

有限会社エグザイル・エンターテインメント
代表取締役社長 五十嵐広行

こうして、Bボーイはサラリーマンになったのだ。


俺には、一つ大切にしていることがある。
それは、最初の約束を忘れないってことだ。
誰かと何かを始めるときにいろいろ話したこと。
そのときの約束を絶対に忘れない。
夢を書いた紙は、いうなれば、その約束の延長だった。

LDHという社名は、
Love (愛)Dream (夢)Happiness (幸福)の頭文字から取った。
この三つが叶えられたら、
きっと会社に関わったすべてのスタッフが
豊かな人生を送れるだろうという意味を込めて、
松浦さんが名付けてくれた。

仲間への愛情、仲間とのキズナ。
人間と人間とのつながりには、凄いパワーがある。
そのパワーが生み出すものを俺は信じている。
それがなかったら、
俺はふたたびここに戻ってくることはできなかった。

スーパースターの核心にあるのは、
結局は人間性なのだと思う。
そして人間性を育てるのは、愛情のある環境なのだ。
売れる歌手を探すことより、そういう環境を作ることの方が何千倍も大切なのだ。
そういうことをアーティストだけじゃなく、会社全体でやっていきたい。
愛情のある環境としての会社。
そんな会社が一つくらいあってもいい。
それが、Bボーイなサラリーマンとしての、
俺のもう一つの夢だ。


思いは、叶う。
俺は心の底から、そう信じている。
もし、叶わなかったら、そこまで思っていなかったということ―。


アツシが最後に言ったことが、とても心に残っている。
「生んでくれてありがとう」
もし、言葉に出してそういえたなら、
愛という言葉の意味がもうちょっとだけ、よく分かるかもしれない。

俺も、最後に、その言葉を父親に―。
父さん、俺はあなたが世界一カッコ良いと思ってる。
本当は、子供の頃からずっとそう思ってたんだ。


日本は不景気で、世の中には活気がないといわれる。
だけど、俺は、そうじゃないと思う。
不景気なのも、活気がないのも、叶えるべき夢がないからじゃないか。
ZOOが解散した後の俺のように、
すべてを周囲のせいにして、自分自身を見失っているからじゃないか。
そうやって、自分の中で眠っている可能性を、
自分の手でつぶしてしまっているからじゃないか、と。


自分がやりたいことにブレーキをかける必要なんて、どこにもないのだ。
心地よい夢が実現できたら、
何年かかろうが、遅い早いは関係なく、
それまで納得できなかった自分の人生を、すべて認めてあげることができる。
結果良ければ、後悔なし。
自分の納得いく結果まで、前を向いて走っていく。
どこまで行けるか分からなくても、そうやって生きる人生は楽しい。
そしたら、もっとカッコ良いお父さんになれるんじゃないかなって思う。


子供は、意外とよく自分の親を見ているものなのだ。
会社でいえば、部下は上司をよく見ている。
どんな夢でも、その夢にむかって歩いている人を、
子供たちは軽蔑したりしない。
そういう大人が、いまは求められているんだと思う。
煙草をやめるでもいい。ダイエットするでもいい。
一度、自分で口に出したことは、絶対に守る。
そういうお父さんを、あるいは上司を、子供や部下は信頼する。

子供が大人をナメるようになったとかいわれるけど、
俺はもしかしたら、そういう信頼できる大人が
少なくなっただけのことなんじゃないかって思ってる。
ジェネレーション・ギャップなんて、
ほんとうは幻想なのかもしれない。
そこにあるのは、ただの人間関係。
その基本は、大人も子供も同じこと。
ドレッドヘアだろうが、七・三分けだろうが何も違いなどありはしないのだ。






「やるだけのことをやったら、あとはなるようにしかならない。
自分にとって良い結果であっても悪い結果であっても、
それを受け入れる覚悟は必要だと感じてます。」
(HIRO)


なんしか、カッコいい大人になろう。

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