2015年6月25日木曜日

【読書】走ることについて語る時に僕の語ること

「走ることについて語る時に僕の語ること / 村上 春樹」
を読みました。

実は、この本
私が「株」の勉強をしているときに
「株を勉強するなら」この本を読むとよいということを聞いたので
読むことにしました。
とても意外な話ではあったのですが、すぐに購入しました。

「長編小説」と「フルマラソン」をうまく絡めて共通にある本質を
ウイットに富んだ文章で綴っておられました。
目標に向かってコツコツ進むことの大切さ
日々の努力を重ねること、諦めずにやり遂げること。
そこが「株」にも共通しているという事なのでしょう。

初心者ランナーである僕にとって理解できるところが多々あり
とても、読みやすかったです。

そしてなにより、しばらくお休みしていたランニングを再開したくなりました。
自分のために気になった文章を残しておきます。




気持ちの良さをそのまま明日に持ち越すように心がける。
長編小説を書いている時と同じ要領だ。
もっと書き続けられそうなところで思い切って筆を置く。
そうすれば翌日の作業の取りかかりが楽になる。
継続すること-リズムを断ち切らないこと。
長期的な作業にとってはそれが重要だ。
いったんリズムが設定されてしまえば、あとはなんとでもなる。
しかし弾み車が一定の速度で確実に回り始めるまでは、
継続についてどんなに気を使っても気を使いすぎることはない。


フル・マラソンを走ってみればわかるが、
レースで特定の誰かに勝っても負けてもそんなことは
ランナーにとって特に問題にならない。
一般の市民ランナーにとっては、
個人的な勝ち負けは大きなトピックではない。


走るリズムにあわせることを考えると、
伴奏音楽としてはロックが一番好ましい気がする。


一ヶ月260キロが「まじめに走る」ということであれば、
310キロは「真剣に走る」ということになるだろう。




誰かに故のない非難を受けたとき、
あるいは当然受け入れてもらえると期待していた誰かに
受け入れてもらえなかったようなとき、
僕はいつもより少しだけ長い距離を走ることにしている。
いつもより長い距離を走ることによって、
そのぶん自分を体力的に消耗させる。
そして自分が能力に限りのある、
弱い人間だということをあらためて認識する。
一番底の部分でフィジカルに認識する。


人は誰かに勧められてランナーにはならない。
人は基本的に、なるべくしてランナーになるのだ。


いくら長い距離を走ることに性に合っていると言っても、
やはり「今日は身体が重いなあ。なんとなく走りたくないな」という日はある。
というか、しばしばある。


僕の通っている東京のジムには
「筋肉はつきにくく、落ち易い。贅肉はつき易く、落ちにくい」
という貼り紙がしてある。
いやな事実だけど、事実は事実ですね。


マラソンは、走る競技であって、歩く競技ではない。
それが僕の基本的な考えである。


走り続けるための理由は
ほんの少ししかないけれど、
走るのをやめるための理由なら
大型トラックいっぱいぶんはあるからだ。
僕らにできるのは、
その「ほんの少しの理由」を
ひとつひとつ大事に磨き続けることだけだ。
暇をみつけては、
せっせとくまなく磨き続けること。


たとえ絶対的な練習量は落としても、
休みは二日続けないというのが、
走り込み期間における基本ルールだ。
筋肉は覚えの良い使役動物に似ている。
注意深く段階的に負荷をかけていけば、
筋肉はそれに耐えられるように自然に適応していく。


集中力と継続力はありがたいことに才能の場合とは違って、
トレーニングによって後天的に獲得し、
その資質を向上させていくことができる。


大事なのは時間と競争をすることではない。
どのくらいの充足感を持って42キロを走り終えられるか、
どれくらい自分自身を楽しむことができるか、
おそらくそれが、これから先より大きな意味をもってくることになるだろう。


とにかく目の前にある課題を手に取り、
力を尽くしてそれらをひとつひとつこなしていく。
一歩一歩のスライドに意識を集中する。
しかしそうしながら同時に、
なるべく長いレンジでものを考え、
なるべく遠くの風景を見るように心がける。
なんといっても僕は長距離ランナーなのだ。


もし僕の墓碑銘なんてものがあるとして、
その文句を自分で選ぶことができるのなら、
このように刻んでもらいたいと思う。

村上春樹
作家(ランナー)
少なくとも最後まで歩かなかった


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「たとえ何も書くことがなかったとしても、
私は一日に何時間かは必ず机の前に座って、
一人で意識を集中することにしている」
(レイモンド・チャンドラー)


<作品の中で出てくる村上春樹さんがランニング中に聞いているというアルバム>

ラヴィン・スプーンフル「デイドリーム」


ラヴィン・スプーンフル「ハムズ・オブ・ザ・ラヴィン・スプーンフル」


ローリング・ストーンズ「ベガーズ・バンケット」




エリック・クラプトン「レプタイル」











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