2014年2月27日木曜日

【読書】冒険投資家ジム・ロジャーズのストリート・スマート

「冒険投資家ジム・ロジャーズのストリート・スマート 市場の英知で時代を読み解く / ジム・ロジャーズ」
を読みました。

ジム・ロジャーズさんは、
本書で「歴史」と「哲学」の重要性何度も訴えかけます。
そして、それらに裏付けされた「自分で考えること」の大切さを説かれています。
それらは、シンプルだけども、とても重要なメッセージでした。
自分のために残しておきます。(本文を一部アレンジしています。)


歴史において言えるのは「変化以外に持続するものはない」ということ。
今多くの国々が借金にあえいでいる。
私たちが生きている間に大きな変化が訪れるはずだ。
これまでの制度、伝統、政党、政府、文化、そして国までもが、
衰退するか、崩壊するか、あるいはあっさりと消えてゆくだろう。
政治や経済が混乱した時代には必ずそうなった。

現在の一次産品の上げ相場が始まったのは1999年で、すでに14年目に入っている。
やがてこの状況もバブルがはじけて終わるだろう。

歴史は教えてくれる。
これ以上ないほど安定して予測可能な社会は必ず激変を迎えてきた。
オーストリア=ハンガリー帝国はその昔、中欧の輝く宝石であった。
1914年には世界の莫大な富の中心地だった。
だが4年たたないうちに帝国は消滅している。



株を買ったら10年間は何もしない。
ことの成り行きを、世の中の変化をただ見守るのである。
それがお金を作る方法だ。株を売ったあとも同じように何もしないことが重要だ。
がまん強くただ待つのみ。
豊富な知識があって自分が精通しているものを見つけるまで、
あなたはひたすら待つべきだ。
部屋の隅に置かれたお金を拾い上げるくらい楽に
確実に買えるものが見つかるまで待つのである。
投資の成功者はそうしている。
あちこち跳び回ったりしないのだ。

大金を手に入れたいなら分散投資に抗うべきだ。
良いものを見つけたら、それに的を絞って資金を集中させる。
それが、リッチになる方法だ。
だが、そこには自分の判断は間違っていないという強い確信が求められる。
集中とは破綻への最短の道でもあるからだ。
分散投資は、安全だがリッチにはなれない。

大きな上げ相場、長期に渡る上げ相場はみなバブルがはじけて終わる。
「株は、3倍になったから買うんじゃなくて、3倍になる前に買わなきゃダメなんだよ」


本来、資本主義では、行き詰まった人間は失敗するようになっている。
そのあとは頭の良い有能な人材が現れ、資産を引き継ぎ、立て直し、
健全な基盤を作って再スタートを切る。
ところが、失敗にてこ入れし、それを膨らませるのがグリーンスパン流なのだ。

グリーンスパンはベン・バーナンキというイエスマンを自分の後任に据えたのだった。

今の危機的状況は流動性の問題ではなく、債務支払能力の問題である。
この危機が起こった理由の1つは、
アメリカやヨーロッパの中欧銀行が10~15年間、市場の流動性を高めすぎたからだ。
要するに低金利で融資をしすぎたのである。
そのせいで住宅バブルと消費バブルが起こり、バブルがはじけて信用危機の問題が残った。
返済能力を越える債務を背負った国民、組織、政府は、借りたお金を返せなくなった。
銀行はそんなくずみたいな紙切れを、すべてサブプライムローンの証券化商品に変えていたのである。
債務支払能力がちゃんとある人たちはローンを組めないわけではない。
問題は流動性ではなく、支払不能者の数があまりにも多いということなのだ。
バーナンキはそれをわかっていないようである。
1930年代の大恐慌では、確かに流動性が問題だった。
政府の誤った政策によって資金が枯渇し始め、
銀行が流動性不足に陥ってシステム全体が崩壊したからだ。
流動性と債務支払能力の区別ができないバーナンキは、
現在の危機を1930年代の恐慌の再来と考えている。

1990年代初頭のスウェーデンも、同じような不動産バブルで経済破綻を経験している。
しかし、スウェーデン政府は何から何まで救済するという措置を取らなかった。
多くの人たちが破綻し、実に悲惨な時期が2~3年続いた。
だが、その後スウェーデンは好景気にわき、
今やその経済の健全さは世界有数のものになった。
現在、スウェーデン通貨が大半の通貨よりもはるかに強いのは、
この困難な時期を乗り切ったおかげでもあるのだ。
1994年のメキシコでも1990年代末のロシアやアジアでも同様のことが起こった。
これらの国の人びとは破産を経験し、辛い時期を経てきた。
そしてどの国も最悪の状態を抜け出し、
健全で信頼に足る成長国として浮上したのである。

1990年代初頭、日本では不動産と株式の一大バブル起きていた。
経済破綻後20年以上がすぎた今、日本の株式市場は1990年当時を75%下回っている。
自殺率は相変わらず高く、出生率は先進国中最低のレベルだ。
経営不振に陥っている会社を助けることで日本政府は経済危機を拡大してしまった。
そして、それはアメリカが選んだアプローチそのものでもあるのだ。

アメリカは、これまで何度か大きな経済破綻に見舞われている。
1907年には金融システム全体が破綻したが、20世紀中に持ち直して強い国家となった。
アメリカ史をひもとけば、銀行や保険会社の倒産、地方自治体の破綻例を
いくつも見つけることができるだろう。

歴史が始まって以来、世界は金融恐慌や財政破綻を経験してきた。
恐慌や破綻は起こるものである。そして世界は生き延びてきた。

日本では1966年に驚くばかりの株価暴落が起こった。
日本の株式ブローカーはみな破産した。
みんな破産したのである。それで世界は終わっただろうか?終わっていない。
その後25年、日本は驚異的な繁栄を享受し、20世紀後半で並ぶものなき成功をおさめた。


「富は三代続かず」はもう何世紀も前から中国で使われている表現で、
家族のみならず国家にもあてはまる名言である。国は興隆し、衰退する。イギリスも
スペインも、エジプトもローマもそうだった。そして今のアメリカもそれが起こりつつある。

貿易赤字や債務の増加で国の経済が思わしくないとき、
それゆえ誰もが経済の悪化に気づき通貨の価値が下がっているとき、
古今東西の政治家は為替管理を断行し事態を悪化させてきた。

1939年に為替管理を強化したイギリスは、その後40年衰退の一途をたどった。
マーガレット・サッチャーが1979に為替管理をやめるに至り、
ようやく経済が(北海油田の助けもあって)回復し始めた。

1971年、ニクソンがドルと金の兌換停止に踏み切ったとき、
ドルの価値は急落し世界は混乱に陥った。
1970年代世界の通貨は変動相場制に移行した。
だが、変動相場制になっても通貨問題は続いている。
政治家や銀行が失敗にてこ入れするせいもあり、相場が大きく変動することがある。
たとえば、今ユーロは、危機に瀕しており、金本位制に戻ろうと主張する声が上がっている。
しばらくはそれでうまくいくかもしれないが、
政治家がいつも回避する方法を考え出すものだから、結局問題が再浮上してくるのである。

1960年代半ば、イギリスのハロルド・ウィルソン内閣は半導体の強化策を講じていた。
これからはコンピューターや半導体の時代だ―そんなムードが世の中に満ちていたときである。
しかしハロルド内閣はその計画を打ち切った。
金持ちが生まれ貧富の格差が開くからだと。
当然ながら10年後、イギリス経済は破綻した。

繁栄している国は貯蓄や投資に課税せず、国民に貯蓄と投資を奨励する。
そういう国が求めてくるのは消費税だ。
だがアメリカの場合は逆で、国民は消費を奨励されている。
アメリカ国民の支払う金利は税控除の対象だ。
アメリカ国民は貯蓄や投資よりも消費するよう促されている。

娘たちに何か1つだけ残せと言われたら、
夢見る勇気を残してやりたい。
情熱を追い求める勇気、失敗してもまたチャレンジする勇気だ。
本当の失敗とはただ1つ、やってみようとしないことである。
間違った問いとはただ1つ、何も問いかけないことである。




「投資家として成功したいなら、
投資の神様といわれている人々の話を聞くよりも、
歴史や哲学を学んだほうがいい。
そのために欠かせないのが読書です。
歴史書や哲学書から歴史的教訓に学び、
ものごとに対する洞察力を磨く。
そうすれば大局をつかむことができるし、
将来の変化も予測できる。
歴史は繰り返すのです。」
(ジム・ロジャース)

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