2014年7月10日木曜日

【読書】はじめての課長の教科書

「はじめての課長の教科書 / 酒井 穣 」
を読みました。

「具体的な組織論」というものにフォーカスした本書。
課長の役割、部長の役割など改めて理解することができました。
教科書と呼ぶにふさわしいかもしれません。
(自分のために本文の一部を変更して残しておきます。)


課長として最も大切なのは
「部下のモチベーションを管理する」という仕事です。
尊厳を持った一人の「人間」として扱うことが本質なのです。
課長は、部下をひとりの人間として気にかけ、
興味を持ち、熟知することで部下のモチベーションを高め、
成果につなげることができる。

ルーティン・ワークから逸脱するような
例外をすばやく発見し、バランスの取れた決断を下すことが
中間管理職の役割になります。

部下も人間ですから必ず失敗します。
しかし、部下の失敗をそのまま部長や経営者に伝えてしまってはなりません。
同じ失敗を繰り返さないよう部下を指導することは大切です。
ですが、「部下が失敗した」ということを社内で宣伝しても、誰もハッピーになりません。

部下の失敗は、課長の失敗


部下が「何かあれば課長に守ってもらえる」という実感を持って、
安心して業務に専念できるような環境をつくることが大切。

部下をほめるという行為の意味は、
感謝の意を示しつつ部下の進むべき方向をはっきり示すことにあります。

ほめる時に、部下に「なぜほめられたのか」を正しく伝えることができれば、
ほめられた部下としても「ああ、こういうことを課長からは望まれているんだな」ということが、
身体にすり込まれます。

人間は、自分から「変わる」ことにあまり抵抗しませんが、
誰かに「変えられる」ことにはとても強く抵抗する。

 
部下の仕事のやり方を改善したいのであれば、
叱るというアクションを通して、
「自ら仕事のやり方を変える」ようにうながしてやるのです。

部下を叱る場合は、必ず人陰でこっそりと叱ります。

経験不足からくるミスであるならば、
繰り返さない限りは、いちいち叱るようなことではありません。
同じミスを繰り返さない工夫を部下に考えさせれば良いのです。

「何が原因で問題が起こったのか」を考えさせ、
「どのようにしてその原因を取り除くか」について考えさせれば良いのです。

原因を上司は指摘したくなりますが、
できるだけヒント程度にとどめ、じっくり考えさせるようにします。

部下が気づかなければ、直接、原因を伝え、部下を叱ります。

叱るという行為を通じて、その信頼と期待を伝えることができれば
部下のモチベーションは高まりもするのです。

部下を叱る時には、
「おまえならできると思っていたのに」、「いつも安心して任せているのに」、
「皆が期待しているのに」というような言葉が出てこなければなりません。

叱った直後は、次のプロジェクトの話題などを出すことで、
部下への期待をはっきり示し、その場を明るい雰囲気で閉じることが大切です。

チームが成熟してくれば、課長が叱るまでもなく、
部下同士の間で「そんなことではダメだ」という具合に叱り合うようになります。



予算管理の本質
「容易に達成可能な目標なのに、もっともらしい理由をつけて、
非常に高い目標であるかのように脚色する」ことが予算管理の隠された本質でもあります。
ショッキングですが、事実です。

社内政治のルール
キーマンは、いきなり利用しようとするのではなく
普段から自らがキーマンにとって有益な人材になるように心がけておくことが重要です。
キーマンとの関係はギブアンドテイクではなく、ギブアンドギブくらいでちょうど良いのです。
少しでも仲良くなったキーマンには、とにかく情報を流すことです。

利害が正面から対立する存在の政敵は、
放っておくと大変なことになります。
こうした関係を和らげる特効薬は、いたるところで政敵をほめることです。
政敵を攻撃することは、知らず知らず自分自身を攻撃していることになるのです。

問題社員の仕事をほめても、叱っても、どうしても改善することができず、
社員への対応そのものをあきらめなければならない時は、
課長が最後にあきらめる人であるべきです。
指標は、自分の子供であっても同じような対応をするかどうかを自らに問うことです。

とはいえ、世の中には、良心を持たない人々も想像以上に多く存在します。
(一説には、25人に1人とも)

エース級の人材は、自律しているので、
ある程度までは自由にやらせておいた方が良いということです。


部下が「会社を辞める」と言い出したときに、
まず確認するべきは、「辞職の決意の度合い」です。

残念ながら直属の上司に辞意を表明する時点で、
辞職の決意は固く転職先とも話がついていることが少なくありません。
それは
いかに部下を観察してこなかったかの証拠に他なりません。
部下の退職は上司の責任です。

但し、退職を引き止められるケースも少なくありません。
こうした場合は、「辞めたい」というセリフは、
「真剣に自分の話を聞いてもらいたい」という切実なサインと受け止めてください。
部下の本音を聞き出せるチャンスと思いましょう。

部下の本音を理解するように努め、それぞれの部下をできる限り公平に扱って、
十分なチャンスを与えていれば、部下はそうそう辞めたりはしないものです。

社内メールのやり取りは、足跡が残るものです。完全に消すことはできません。
結論としては、誰かに監視されていたら決してやらないようなことは、
はじめからやらないという心構えが重要だということです。

課長は部下にとって温かい人物であるべきですが、
弱腰である必要はまったくありません。
課長が弱腰になってしまうと部下が動揺してしまうものです。
普段から自らを権威づけしておくことは、
部下から無駄な攻撃を受けないためにも大切なことです。

社内ネットワークの広さをアピールする。
経営者層とゴルフに行った話、飲みに行った話などくだらないですが実に有効です。

身に付ける物を、良いものにし自己イメージの管理に気を配るのもひとつの手です。

米国海軍の飛行訓練では、
「大胆不敵なパイロットは長生きではない」と教えられるそうです。

自分の負けパターンを知っておく
自分の典型的な「負けパターン」を洗い出しておきます。
自分の弱点は根本的に克服することは困難でも、
同じ失敗は、テクニックで回避できます。

無私になるということが優秀な管理職の条件である。
昇進にガツガツするよりも、どれだけ多くの仲間を助け、
仲間からの信頼を集められたかを誇れるようになれれば、世界中で通用するでしょう。

課長にまでなった人材が職を失うのは、
スキルが足りなかったのではなく、業界の不況が原因です。
2年分くらい仕事をしなくとも生きていけるくらいのお金を持っておきましょう。
2年あれば世界的な不況もまず回復し、新しい職場も見つかります。
交渉では足元を見られ悪条件で就職しなければならなくなります。
2年分くらいの失業準備金があれば心理的に「いつリストラにあっても問題ない」と、
常に強気な決断ができます。なにより態度に余裕が生まれます。
余裕が感じられる人物は、リストラとは無関係な人生を歩めたりするものです。

現代は間違いなく、革命的な変化をしている最中にあります。
周りが変化しているのに、自分だけが変化しないというのが一番危険です。

格好のリストラの対象である部長には、あえてならないという選択もある。
昇進をあきらめることで発想が自由になったり、信頼が高まって昇進することもある。

時間のない経営層は、「どうでもいいこと」を報告されることを嫌います。
逆に言えば課長は、経営層が知るべきこと、知らなくてもいいことを
的確に判断できなければならないのです。

小さくても信頼される組織もあれば、大きくても軽蔑される組織もあります。
それは、組織を構成する一人一人の人材によってしか形成され得ないブランドです。


部下は、課長の背中を見て育ちます。
ここで期待されるのはラーニングリーダーシップです。
どの部下よりも多く学び、積極的に多様な経験を得ようとする態度を見せることが
部下の育成にとって最も有効です。

大事なことは、自分が相手のことを、とても大切に思っていることを「伝える」こと。

今の私は「あなたのことが、自分にとって、とても大切です」というメッセージを発信し、
相手に理解してもらうことが重要です。



「そもそも全部、長所のヤツなんていないし、
そんな神みたいなヤツは俺の部下にはいらない」
(上司に言われて救われた言葉)

なんしか、カッコいい大人になろう。



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