2019年10月17日木曜日

【読書】お金の流れで読む 日本と世界の未来

「お金の流れで読む 日本と世界の未来 世界的投資家は予見する /ジム・ロジャーズ」
を読みました。


私は、このジム・ロジャーズさんの
歴史から学んだ自分なりの意見を
ズバズバ言うところが大すきです。
なるほど、と思うところも多々あり参考になります。


実際、私も第二次世界大戦で分断された国の3つのうち
残りの1つである朝鮮半島も
いずれ統一されるという見解をしていたのですが
ジム・ロジャーズさんも、統一されると予想されていて
予想が同じでなんともうれしかったです。
(いつものように自分のために残しておきます)




「今度は違う」というセリフは、危険な兆候である。
投資の世界では、すこぶる注意しなければならない。



人と同じことをして成功した人は、いままでいない。



変化を拒んでいれば
いずれ職を失うことになるだろう。



現在、世界の負債は西洋に、
資産は東洋にある。



彼らは「ソフトランディングをするから、心配ない」というだろう。
だが、ソフトランディングを誘導することができたためしはない。



ここ10年でお金の流れはずいぶんと変わった。

リーマンショック後、
世界でやたらと紙幣を印刷するようになり始めた。
結果、市場最悪の下げ相場が今まさに起ころうとしている。


アメリカの株式市場は、
2009年3月に底を打って以来、
10年近く上昇を続けている。
これは史上2番目の長さだ。
歴史を学んでいれば、
現在のアメリカの上昇相場が
いつか必ず止まるということは、
誰にでも予想できる。



外国人を排除し、門戸を閉じた国が衰退の一途を辿る
ということを、
歴史は何度も教えてくれる。


日本は戦後、世界各国との貿易によって
経済復興を遂げた「貿易立国」なのだから、
保護主義に走っても何もいいことはない。


北朝鮮に対する経済制裁も、
アメリカは世界の中でも最後まで続けるだろう。
歴史的に見ると、
中国やベトナム、キューバなどに対する制裁もそうだった。


クアンユーは、
「国家の発展には民主主義より規律が必要だ」と言って憚らず、
国民には必ずしも評判がいい首相ではなかった。
シンガポールのようにすばらしい「独裁者」がいればいいのだが、
ほとんどの独裁者はクアンユーのように見識があるわけではない。
頭がいいだけの人間ならたくさんいるが、
そういうリーダーは私腹を肥やすだけに終わるかもしれない。
コンゴを見よ。
ほとんどの独裁者はいい働きをしない。
権力は腐敗する。


1990年代の初め、日本でバブルが弾けたとき、
政府はどの会社も倒産させまいと奮闘した。
その結果、いわゆる「ゾンビ企業」や「ゾンビ銀行」が生まれた。
本来なら無能な企業・人材は淘汰され、
有能な人材が再建して新しい健全な会社を作り上げるべきところを、
日本は逆のことをやってしまった。
バブル崩壊後、日本が「失われた10年」を経験したのはそのせいだ。
それが「失われた20年」に延び、今は「失われた30年」に突入している。

そして、リーマンショック後のアメリカでも同じことが起きた。
破産させるべき企業を救済し、刑務所に送るべき人間に退職金を保証した。
結果、アメリカは有史上最大の債務国と成り果てた。
もはや、アメリカの企業は世界で競争することができなくなっている。
イギリスも同様だ。

「破産なき資本主義は地獄なきキリスト教」と、
イースタン航空のCEOであったフランク・ボーマンも言っている。
地獄に送るべき人間を放置しておくと、この世は地獄そのものになる。


日本・アメリカの逆の例もある。
スウェーデンは、1990年代初頭、アメリカと同じような不動産バブルで
経済破綻を経験したが、政府は過剰な救済措置を取らなかった。
そのため2~3年はたいそう悲惨な時期が続いたのだが、
その後は一転、好景気に沸いた。
いまやスウェーデン経済の健全さは世界屈強である。


歴史を振り返れば、
貿易戦争がプラスに働くことなどないとわかる。


貿易戦争がやってきたといっても、
それははじまったばかりで、
まだ市場に影響を与えるまでには至っていない。
経済危機というのは、1日2日で起こるものではない。
経済に実際に影響が与えられるまでには、
長い時間がかかるものなのだ。


アメリカはいま、トランプ政権下で保護主義政策を進めている。
歴史上、
保護主義政策による貿易戦争で勝った国は一つもない。
どの国もマイナスになる。


1929年のこと、アメリカ株式市場はにわかに景気づいていた。
歴史上最高の10年だったといえる。
その時アメリカの議会は関税法を通そうとしていた。
反対を押しきり議会は関税法を通してしまった。
その途端株式市場が暴落したのだ。
1930年代は世界大恐慌が大きな影響を及ぼし
そのあとは第二次世界対戦が勃発した。
そして世界中の経済が崩壊した。
すべては、
アメリカが1929年に大規模な貿易戦争を始めたからである。


頭を使って正しく投資をすれば、
金が自動的に金を生む。それが投資の面白さだ。


あなたは、世界で何が起きているなんかどうでもいいと言うかもしれない。
しかし、世界で起こる出来事のすべては、
あなたの仕事が何であれ、最終的にあなたの人生に影響するのだ。


一つだけ「成功する方法」のようなものを挙げるとしたら、
「誰も目をつけていないものをすぐさま買え」と言いたい。


かつて世界を制覇したイギリスが
いまや見る影もなく衰退しているように、
アメリカもいずれ衰退する。
日本も、残念ながら同様だ。




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「What should they know of England who onlr England know?
イギリスのことしか知らない人が、イギリスの何を知っているというのだ?
(イギリス以外の国に行ったことがある人は、
行ったことがない人よりもはるかにイギリスのことを知っている)」
(ラドヤード・キプリング)

なんしか、カッコいい大人になろう。