2014年5月1日木曜日

【読書】部下を持ったら必ず読む 「任せ方」の教科書 「プレーイング・マネージャー」になってはいけない

「部下を持ったら必ず読む 『任せ方』の教科書 『プレーイング・マネージャー』になってはいけない
 / 出口 治明」
を読みました。

これは、読めば納得、目から鱗の良書でした。
是非読むべき本だと思います。
(自分のために残しておきます。)

「部下の仕事を一つひとつ丁寧に確認しよう」とすると、
いい上司にはなれません。
部下にある程度の権限を与えて、
仕事を「上手に任せる」必要があります。

上司が、
「人間の能力は、それほど高くない」
「上司の管理能力は、せいぜい部下2~3人分である」
これがわかっていないと、チームは機能しません。

部下に権限を与えて、仕事を任せるしかありません。
「仕事のプロセスには細かく首を突っ込まない」ようにすれば
「10~15人分の部下」を管理することも可能になる。

企業はもっと強くなるべきです。
強くなるためには、
「任せるしくみ」をつくることです。
100人分の成果をあげるには、
100人の社員に仕事を任せるしかありません。
これが、組織を強くする要諦です。

日本人は、「みんなで話し合って、みんなが決める」稟議性を好みますが、
意思決定に時間がかかりすぎ、責任の所在があいまいになるデメリットがあります。
したがって、「決定権を持つ者が、一人で決める」べきです。
「話し合いはするけれど、決定は一人で行う」のが協議のルールです。

「課長の決定に、部長は口を出してはいけない」

この「権限の感覚」がありますか?
権限を与え、仕事を任せたあとの大事なルールがあります。
それは、ひとたび権限を委譲したら、
その権限は「部下の固有のもの」であり、
上司といえども口を挟むことはできないというものです。
仕事を「任せる側」は、
こうした「権限の感覚」を身に付けることが重要です。

「社員としての優秀さと、経営者としての優秀さは違う」ことを知り、
「マネージメントはマネージャー(経営者)」に、
「実際のプレイ(業務)はプレーヤー」に任せるしくみを
構築する必要があります。

同質にこだわると、会社が硬直化します。
女性に売るなら女性に、外国人に売るなら外国人に、
若者に売るなら若者に任せる。
性別や年齢、国籍を越え、多様な人材に「任せる」ことで、会社は強くなります。

権限の範囲を示さない振り方を「丸投げ」という
「任せる」とは「権限の範囲を明確にしたうえで、的確な指示を与えること」です。


指示は徹底して「具体的、かつ的確」に出す
「判断のルール」をつくると部下の迷いがなくなる
部下を迷わせないためにも
「ルールを具体的にしておく」ことが大切です。

「上司こそ、部下に対して積極的に
『ほうれんそう』をする」ことをお勧めします。
そもそも、ほうれんそうをしてくる部下はゴマすり部下の可能性が高い。
社内をぶらぶら歩いて「部下の顔色をうかがう」のです。
部下とのコミュニケーションを円滑にしたいなら、
「向こうから来るのを待つ」のではなく、
こちらから現場に出向いていきましょう。

的確な指示を出すための4つの条件
①「期限」を示す
②「優先順位」を示す
③「目的・背景」を示す
④「レベル」を示す(例 半製品なのか?完成品なのか?)

「仕事を任せる」ときは、
「与えられた権限の中で、部下にめいっぱい考えさせること」が必要です。
安易に相談にのったり、すぐに答えを教えたり、
すぐに上司が手直しするようでは、部下を育てることはできません。

部下のミスには「問答無用で責任を取る」
部下の失敗は、上司の責任になります。
「自分は知らなかった」は通用しない。
「知っていようが、知っていまいが、
自部門の責任を取る」のが上司です。

上司は、自分で仕事を抱えようとせず、
部下に仕事を任せなければなりません。
「人にしてもらう」のは、上司の仕事の基本です。
「サボっている部下」がいたら
「仕事を与えていない(仕事を任せていない)」上司が悪いのです。

「仕事を与え、部下を忙しく働かせる」のは、上司の務めです。
「上司が仕事を与える」のは、愛情の裏返しです。

部下の仕事が「60点」なら、合格点を与えなければならない
60点で我慢する度量を持つべきです。
マネージャーの仕事は、
自らもプレーヤーとして現場に出て「80点を取る」ことではありません。
部下が10人いるのなら、まず10人全員が「毎回60点取れる」ようにするのが
マネージャーの役割です。

「部下全員に60点を取らせる」のが上司の務め
まずは、60点未満の不合格をなくす。そして、全員が60点を取れるようになったら、
今度は「全員で65点を目指す」のが正しい成長のあり方です。

「必死に働く姿」を部下に見せているか?
部下から愛されているわけでもなく、
圧倒的な能力を持っているわけでもないなら、
「必死に働いている姿を見せる」しかありません。
忙しくしているフリは、部下に見透かされます。
「建前は、絶対に部下に見破られる」と肝に命じて、
必死に働く必要があります。

「万能な人材」など存在しない
人には「向き、不向き」があります。
攻めが得意な人は攻めを、守りが得意な人は守りを極めればいい。
「攻めが得意な人に守りを覚えさせたり、
守りが得意な人に攻めを覚えさせる必要はない」
一人のファンドマネージャーに上げ相場も、
下げ相場も任せるのではなく、
二人を組み合わせながら、任せればいいのです。
どういう局面なのかを察知し局面に応じて
「任せる担当者を変えていく」のが社長の仕事と言えるでしょう。
不得意なところは、「強制的にできるようにさせる」のではなく、
別の人をあてがって補えばいいのです。

部下の短所は「ほおっておく」

「長所を伸ばして、短所をなくす」ことなどあり得ない。
部下の「尖った部分」は、
「削るのではなく、そのまま残す」こと。
人は「小さい丸より大きい三角形」であるべきです。

石垣の隙間を埋める「小さな石」。これが上司だ。
「丸くしないで、尖ったまま人を使う」からこそ、組織は強くなる。
組合せることで強い石垣が作れれば、それでよいのです。
組合せた時、隙間ができてしまうのなら、
「小さな石」を入れて、埋めたり、つないだりすればいい。
その「小さな石」こそ上司の役割です。

部下に「100%力を発揮してもらう」のは、間違いである。
人間は、元来怠け者です。そして社会は、「2・6・2の法則」でできています。
そのことを受け入れたうえで、
「では、誰に、どんな仕事を任せたらいいのか」を考えるのが、上司の仕事なのです。

リーダーの条件
①強い思い
「この世界をどのようなものとして理解し、
どこを変えたいと思い、そのために自分にできることは何か」を認識して、
志を持つべきだと考えます。
②共感力
「なぜそれをやりたいと思うのか」「どうすれば実現できるのか」を部下に説明し、
共感を得る能力がリーダーには求められています。
③統率力
「統率力」は、むしろ「丁寧なコミュニケーション力」と言い換えることができます。
周囲の環境変化や各メンバーのおかれている状況を観察したうえ、
メンバーに声をかける力が真の統率力なのです。

「強い思い」を持たない人は、リーダーになるべきではない。

任せられるから、「できるようになる」

任せられることによって、存在価値が認められ、やる気がでる。
部下の承認欲求を満たすには、
「部下を肯定的に評価する」ことです。
簡単にいえば「褒める」ようにします。
人は、「褒める」と「叱る」の割合が「3:1」でないと
ポジティブな気持ちを保てないと言われています。

アウトソーシングの判断基準は「コスト」と「コア・コンピタンス」
会社にとって「一番付加価値の高いところ」は、アウトソーシングしてはいけません。
ものづくりの会社の場合、付加価値が高いのは、
一般的に、ビジネスラインの「上流」と「下流」といわれています。
上流の商品企画と下流の営業は、価値が高い。
一方で、「中流」のアセンブリ(つくる、組み立てる)は
それほど価値が高くありません。

著者の出口さんは常々、
「国語でなく算数で考えようと心がけている」そうです。
「2013年の参議院選挙で自民党は『圧勝した』『大勝した』『完勝した』と報じられました。
では、数字に置き換えるとどのくらいの数だと思いますか?」
出口さんの示した答えは「18.2%」。要は五人に一人の指示を集めたに過ぎないのです。
「数字で考える」とは、ものごとを「具体的に考える」ことの要諦なのでしょう。

「部下に任せることが必要だ。
そのうち部下は必ず一人前になり、
時には自分よりうまくなる。」
(松下 幸之助)

なんしか、カッコいい大人になろう。






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