2017年11月2日木曜日

【読書】世界標準の子育て

「世界標準の子育て  / 船津 徹」
を読みました。

私も、子育て真っ最中。
何がよくて、何がいけないか。
正解もわからないまま、
日々迷いながら毎日奮闘しております
そんな中一つの指針のようなものを与えてくれた良書です。
一読の価値ありです。
いつものように自分のために残しておきます。




子育ての90%は、
自信を育てられるかどうかにかかっている


個人主義が浸透している欧米社会では、
幼い子どもでも「一人の人格者」として扱います。
子どもが公共の場で騒いだりすれば、
親は即座に子どもをその場から連れ出し、
毅然とした態度で行動を避難します。
人前で叱らないのは子どものプライドをつぶさないための配慮です。


相手の目を見て話をする、
自分の考えを正確に伝える、
人の話を最後まで聞くなど、
そうした人付き合いのルールを教えるのは親の役割です。


アメリカ人は
「自分の意思で行動できた → 褒める = 自立を促す」なのです。

日本人は
「言うことを聞けた → 褒める = 従順を促す」です。



ハワード・ガードナー博士は、
こう言っています。
“it's not how smart you are.it's how you are smart.
/どれだけ頭が良いかではない。どのように頭が良いかなのだ
自分の強みを知り、それを伸ばし、自己の能力をフルに発揮できる。
そんな人材が未来社会では必要とされるのです。


もっとも重要なのが「スキンシップ」
「肌と肌のふれあい」が親の愛情を効果的に伝える手段なのです。


「愛情の実感」が不足している子どもは、
必ず不安を訴えるサインを出します。
学校に行きたくないと泣き叫んだり、
チック症状が出たり、反抗的な態度を取ったり、
いつもとは違う、おかしな行動をするのです。
そんな時は丸一日、子どもとベタベタしてください。
子どもが10歳でもお母さんが抱っこしてあげると心から嬉しそうな顔をします。


日本の伝統的なスキンシップの代表に「おんぶ」があります。


親がニコニコしていると、子どもの問題行動は減ります。
そして「ああせい」「こうせい」と言わなくても済むようになります。
親の上機嫌は子どもを上機嫌にするのです。


「自分でできた」「うまくできた」という成功体験を重ねていくことで、
どんな子どもも自信を取り戻すことができます。
子どもが自分の力でできるまで気長に見守ってあげましょう。


兄弟姉妹は、平等に育てる必要はありません。
上の子を中心に育ててあげてください。
特に「お兄ちゃん(お姉ちゃん)なんだから我慢しなさい」は、
絶対に使ってはいけないNGワードです。


パートナーの悪口を聞かせると、
友だちができない子に育つ。


幼い子どもに使う言葉は慎重に選んでください。
親の何気ない一言が
子どもの一生のコンプレックスになることもあるのです。
エジソンの母親は、エジソンに
「トーマス、お前は天才だよ。トーマスは偉いよ」
と言い聞かせて育てた話は有名です。


「根拠のない自信」は「100%親から与えられるもの」です。
根拠のない自信は、子どもがいくら努力しても手に入れることはできません。
子ども時代に親から可愛がられ、大切にされ、
愛情をたっぷりもらうことのみ得られる自信です。
「親から愛されている」「自分は価値ある人間だ」という
「根拠のない自信」を大きくく、
どっしりとしたピラミッドのように構築することが子育ての第一歩です。


0歳児~6歳児の
「根拠のない自信」を育てる最良の方法は
「スキンシップ」です。


1歳児~6歳児の「根拠のない自信」を強めるのに
最適な方法が「お手伝い」です。
子育ての上手な家庭では、
みなさん子どもに頻繁にお手伝いを頼み
成功体験のインプットを積み上げています。


「根拠のある自信」は、継続と競争によって育てられる。


勉強で獲得した「自信」はもろく、崩れやすい。
そのために、勉強以外のことで
「根拠のある自信」をつけていくのがよいのです。
スポーツ、音楽、ダンス、演劇、囲碁、将棋、何でも構いません。


欧米ではスポーツ、音楽など
課外活動に真剣に取り組んでいる子ほど
「Well Rounded Person/均整の取れた人」
に育つという考え方があります。


子どもたちが自分で「強み」に気づくことはできません。
最初は親や周囲の人が見つけて
「あなたはここがすごいよ」と
教えてあげることが大切なのです。


欧米の親がティーンエイジャーによく言う言葉が
“Get out of comfort zone”です。
「居心地の良い場所から脱出せよ!」ということですね。
「気の合う仲間と過ごすのが青春だろう」と思われる方もいるかも知れませんが、
「この仲間は最高だ!」「ここは居心地がいい!」という感覚は、
「成長が止まっているサイン」でもあります。


子育てにおいては「結果主義」ではなく「努力主義」
子どもが環境の変化を嫌がるのは「失敗を恐れるから」です。
大切なのは親が「結果に寛容」であること。
結果よりも「努力することに意義がある」
という態度を保ちましょう。


「頭がいいのね!」と
「知性」を褒められた生徒のほとんどが
簡単なテストを選び、
一方「がんばったのね!」と
「努力」を褒められた生徒の90%は、
難しいテストを選択したのです。
「知性」を褒められた生徒は
「自分を賢く見せること」を優先するので、
失敗を恐れるようになります。
その一方で「努力」を褒められた生徒は
「チャレンジし続けること」を優先するので、
勇気を持って挑戦できるようになるのです。


男の子は、「おだてて育てる」ことが基本です。
男の子は根が単純で、
「上手にできたね」「がんばったね」「頼りになるね」「カッコいいね」
と褒められ、おだてられると嬉しくなり、
やる気になって行動します。


一方の女の子は、親賢く(特に母親)が
「手本やルールを提示してあげる」のが基本です。
女の子は、「手本を示す」→「マネさせる」→「努力を褒める」を繰り返していくと、
しつけも勉強も習い事もどんどん成長していきます。


男の子を動かすには、「母親に褒められたい」心理を利用しましょう。
「ママを助けてくれる?」「ママと一緒に考えてくれる?」
「ママを守ってくれる?」と頼ってみてください。


「○○しなさい!」ではなく「ママ(パパ)と競争しよう!」と言えば、
たいていの男の子は乗ってきます。


兄弟姉妹と比較して
「何でお姉ちゃんはできるのにあなたはできないの!」
などは絶対に言ってはいけません。
男の子はプライドを傷つけられると、
本当にダメになってしまうという
「ガラスのハート」を持っています。
「男の子はおだてて育てる」という原則を守れば、
母親のために一生懸命頑張ってくれる可愛い青年に育ちます。
これは大人も同じなので、夫に対しても同じアプローチで接してみてください。


子どもの「考える力」を高める最高のアイテムは、「本」です。


6歳までに本好きな子どもに育てることができれば、
子どもの言語教育はほぼ成功といって良いでしょう。


3歳からは「質問」をしながら読み聞かせる。
親が「問い」を重ねると、子どもは深く考える習慣をつけることができます。
「ママ(パパ)はここがおもろかったけど、○○ちゃんはどこがおもしろかった?」
というように「自分はこうだけど」と言ってから、
質問するようにしてください。


小学校入学時の読書力が勉強への態度を決定づける。
「教科書が読める子はいますか?」という先生の質問に
パッと手を挙げられる子は、
「自分は勉強ができる!」という自信ちプライドを持ち、
勉強に対して前向きな態度を持つことができます。
「本を読めることはすごいことなんだ!」と、
その時に初めて子どもは実感します。

「自分は勉強ができる」という自信を持つと
自分から進んで勉強する子になります。


親子の会話では「空気を読まない」ようにする。
子どもがあいまい語を使った時は、
わからないフリをして「質問返し」をしてください。


ノーベル賞受賞者やマッカーサー財団の受賞者を調査した結果、
幼児期に「ごっこ遊び」をたくさんしていた人が多いことがわかっています。


たとえばお店屋さんごっこをする場合、
「はい、どれにしますか?」と聞かれたら、
「身体に良いお菓子はありますか?」というように、
思考をちょっと刺激する質問をしてみてください。


母親の表情は、必ず子どもにうつります。
意識して明るくしていきましょう。


人間関係に消極的な子どもは、
まだ外に出るための自信が身に付いてないので、
まずは家庭で子どもの自信を大きくしてあげましょう。
自信がついたら、習い事へ。
この際も、あらかじめ家庭で練習して一通りのことが
できるようになってからにしてください。
何の準備もなく習い事に入れると、また自信を喪失します。
家庭で練習させて「人並み以上」にしてから参加させるのが理想です。


子どもの身のまわりのことはできるだけ自分でやらせてください。
着替え、靴履き、食事など、
自分でできることは親が手を貸さずに子どもにやらせます。
時間がかかっても、汚れても、親は見守ってください。
子どもが自分の意思でしようとしていることは、
最後までやらせてあげてください。信じて気長に見守ってあげます。
そしてできたら、出来が良くなくても
「自分でできてすごいね!」と大げさに褒めてください。


新しい環境に子どもを入れるときは、
必ず「前もって」どこに行き、何をするのか、
また、何をしてはいけないのかを
言葉で説明してあげてください。
ある日突然親子教室に連れていき、
「先生の言うことを聞いてね!」と言っても、
子どもはどう行動していいかわかりません。


子どもがしつけを受け入れないときは、まず心を満たす。
心を満たすには、
添い寝をしたり、一緒にお風呂に入ったり、抱っこしたり、
肌と肌のふれあいを増やすことが一番です。
心が充足すればしつけを受け入れる余裕が生まれます。


ITツールは不可避なもの、親子でルールを決める。
そこで重要なのは、ゲームとの付き合い方。
各家庭で必ずルールを決めてください。
親が一方的に決めてはいけません。
「親子会議」で話し合います。
同時に、ルールを守らなかった時の罰則も決めましょう。
ルールをプリントアウトして、子どもにサインさせます。


ティーンエイジャーの反抗期
まず、ティーンの反抗期は「放っておくこと」「受け流すこと」が基本対応です。
子どもがあまり親と話したがらなくなったら、
親は子どもを子ども扱いせず、一人前の大人として扱うように心がけてください。
子どもから話すことを期待せず、
親の側から日常的な「雑談」や「意見交換」を求めてみましょう。
ティーンになるとホルモンバランスが変わることもあって、
子どもは情緒不安定に陥りやすくなります。
基本は子どもが不機嫌な時は関わらないことです。


ティーンエイジャーを暇にさせてはいけない。
欧米では子どもがティーンエイジャーになると
「keep kids busy/忙しくさせておく」ことを心がけます。
中高生の子どもには向き不向きに関わらず、
身体を動かすスポーツに参加することをすすめてください。
身体を動かす活動をしていないと、ストレスを発散する機会を失い、
イライラが蓄積してしまうのです。


下の子が生まれた時に上の子に手助けを頼まないと、
上の子は下の子を「ライバル」だと思ってしまいます。


子どもを命がけで守るのが親の使命です。





「子どもは
あなたの愛を待っているのよ。
一対一のね。」
(マザー・テレサ)

なんしか、カッコいい大人になろう。