2018年10月25日木曜日

【読書】ぼくたちは習慣で、できている。

「ぼくたちは習慣で、できている。 / 佐々木 典士」
を読みました。

これは、なかなかの良書です。
習慣の偉大な力には、ここ数年私自身も気づきはじめ
自分のモノにしたいと、
事あるごとに考えていました
私の知る知識ではない、知識も得られ
とてもためになりました。
いつものように自分のために残しておきます。





天才とは、ただ、
努力の継続ができる人のことをいう。
エルバート・ハーバード


自由時間は多すぎない方が幸せ。
「時間があったらできる」と人はよく空想するものだが、
「時間がありすぎるとできない」こともある。
ある研究によると、人の自由時間は1日7時間以上あると、
逆に幸福度が下がってしまうそうである。



ぼくは「忙しい時ほど片付けをする」ことを心がけている。
忙しいと部屋は荒れていくものだが、
それは人が「今はそんなことをしている暇はない」
とつい考えてしまうから。



意志力が強いと思われていた人は、
誘惑に抵抗している時間がそもそも短かったということだ。
誘惑を何度も断ち切れるような強い意志力を持っていたわけではなく、
そもそも誘惑されている時間や回数が少なかった。



村上春樹さんは、
「自分を習慣の動物にしてしまうこと」と言った。
習慣を身につけることとは、自分の動物の部分、
無意識が司る部分を変えることだ。



実験を何百回も繰り返すと、
ラットは迷わなくなり、ゴールまでの時間も短くなる。
チョコレートを探し出すのがとてもうまくなった一方で、
ラットの脳の活動は低下し「どんどん考えなくなっていった」



小さな「トリガー」からはじまって天才が作られることもある。
山口さんの勉強は「机を見ること」から始まった。
山口さんが子供の頃から習慣にしていることはこうだ。
起床すると窓のカーテンを開けて太陽の光を浴びる。
次の瞬間、視線を机に移す。椅子に座って、
何の本でもいいから読み、
母親が「朝ごはん」よと呼ぶまでの10分程度を机の前で過ごす。
これで机に座るということに1日抵抗がなくなるという。
学校から帰ってきておやつを食べると、
また「机を見る」ことを起点に勉強をはじめる。
高校でも、ロースクールでも、朝の光を浴びたらまず机を見た。
小さなトリガーから始まる習慣で、天才が作られたのだ。



ルーチンの良い点は、
いつもの行動を取ることから気分を変えることができるということ。
乱れた心を調律する、チューナーのような働きがルーチンにはある。



村上春樹さんは、毎日1時間走るが、
誰かからいわれのない非難や拒絶を感じた時には、
少し長い距離を走るそうだ。
そうすることで確実に「気分」が変わるのを実感しているからだ。



イチローはしんどい時の乗り越え方として 、
「日々やっていることを同じようにやること」
を大切にしているそうだ。
「心から持っていくのは難しいですが、
身体をいつもと同じように動かせば、
そのうちに心がついてくる。
心が積極的になれない時のテクニックです」と言っている。



お金の「報酬」は、
個人が持っている自発的なエネルギーには
到底叶わなかった。
たとえそこにお金が発生しなくても、
人はいろいろな「報酬」を感じることができる。



深い満足感を味わうためには、
ドーパミンだけではダメ。
ストレスを感じることで分泌されるコルチゾールと組み合わされることで、
強烈な満足感を得られるというのだ。



ビル・ゲイツや、ジェフ・ベゾスは働かなくても、
毎日リゾートのビーチで寝そべって死ぬまで過ごせる財産が
あるはずだがそうはしない。
恐らく楽しいことだけしていても、
強烈な満足感は感じるられないからではないだろうか。



作家のグレッチェン・ルービンは
「気分転換のための何かは、
自分が嫌になる何かであってはいけない」



シカゴ大学病院のジョン・グラントは、
「過大な報酬や多幸感、
安らぎをもたらすものはすべて依存性があります」
と言っている。



依存性に陥りやすいものはすべて
「報酬が早い」ことが特徴的だ。
要するに気持ちよさに即効性があるということ。



作曲家のジョン・アダムズも
「ぼくの経験からいうと、
本当に創造的な人々の仕事の習慣は極めて平凡で、
特におもしろいところはない」
とはっきり言っている。



脳科学者の池谷裕二さんは
やりはじめないと、やる気は出ません。
脳の側坐核が活動するとやる気が出るのですが、
側坐核は、何かをやりはじめないと活動しない」
と言っている。


ティナ・シリーグは
「判断に迷ったら、
将来胸を張って話せるように物語を紡ぐ」
と言った。



やる気を出すには「まず始める」ことが重要。
まず始めるためにどうするか。
それには徹底的にハードルを下げることが重要だ。



やめたい習慣はハードルを上げる。
ピスタチオは殻を剥くのが面倒なので、
素焼きのナッツなどよりも食べ過ぎを防ぐことができる。
これをぼくは「ピスタチオ理論」と呼んでいる。



「形から入る」というのも
習慣化のためには役立つと思う。
運動するのでも袖を通せば
気持ちが少し上がるようなウェアやシューズを用意しておくと、
最初の苦しい時期とうまく付き合うことができる。



目標を小さくすることのメリットは他にもある。
習慣を身に付けるうえで何より大事なのは、
自己否定感を感じないようにすること。
目標を「腕立て伏せ1回」に設定しておけば、
他のことが忙しくて、
本当に1回しかやらない日があっても自己否定感は生まれない。
自分設定した目標はきちんと達成したのだ。



「毎日する」ということさえ決まっていれば、
今日はそれをするためにするべきかどうか
悩むことも決断することもない。
毎日する、これは習慣のステップの中でも奥義のひとつだと思う。


「明日の自分は違う」と思うのでこれはなかなか根深い問題だ。
肝に銘じるのは
「明日の自分は、今日の自分と同じことをする」ということだ。



切迫していない問題は
「いつかやろう」「落ち着いたらやろう」と思ってしまう。
きっとそんな日は来ない。
だから、先に日付を決めておくことが重要だ。
たとえば修行僧は日付でやることが決まっていて参考になる。
日付ですることが決まっていれば
「髪そろそろ伸びてきたけどどうしようかな、
明日でいっかな、来週までイケるかな?」など
考える必要がなく、
意識を使わずに行動ができる。



曜日を基準に行動するのもいい。



作家の角田光代さんは
ごほうびの重要性についてこう書いている。
「飲み会、高カロリーなごちそう、エステ、マッサージ。
『この苦しみが終わればアレが待っている』
のアレはかなり重要だと思います」


異性の目をうまく使う。
ぼくの友人の女性は、美容師さんがイケメンだと、
ヘアケアに力が入るそうだ。
堀江貴文さんもジムのトレーナーは女性を選ぶそうである。
異性として特別に意識していなくても、
異性の目は気になるものだ。



武井壮さんは忙しい芸能生活の中で、
毎日1時間のトレーニングと、
1時間自分が知らないことを調べることを習慣にしているそうだ。
なぜそれができるかといえば
「自分のためじゃないから」
「フォロワーをがっかりさせたくない」
という意識があるから。



日本語にも「お天道さまが見ている」という言葉がある。
第三者の目線で考えることは、
ここぞという苦しい場面で踏みとどまれるテクニックのひとつである。


ヘミングウェイは、
「始めることの難しさ」を熟知していた。
次の話がどうなるかわかっているところから始めれば、
くよくよ悩まずにスタートを切れる。
スタートさえ切れれば後は脳が集中を高めてくれる。
これはびじねすにも応用可能だ。
ついキリのいいところまで仕事を終えてから帰宅したくなるものだが、
それでは明日の仕事を
手がかりのないところからスタートしなくてはいけなくなる。
企画書を書くのなら、
完成させるのではなく途中までで手を止めておいたほうが、
明日の仕事のスタートをうまく切れる。


プロゲーマーの梅原大吾さんにとっての目的は
「成長し続ける」ことであり
「大会で勝つこと」ではない。
勝つことを目標にしていると燃え尽きて続かないそうだ。


アーノルド・シュワルツネッガーが目的の意味として
使っているのは「マスタープラン」という言葉。
「マスタープランという大きな目的のために、
今日できることは何か?」を問いかけたという。


成長に必要な「意図的な練習」
イチローは打つ球一球ごとに課題を設定していたという。
そしてたとえヒットを打てたとしても
自分の立てた課題を達成していなければ満足しない。
ただ量をこなすのではなく、意識し、微調整していく。
仮説を立てながら、修正を続けていく。
こういった手法は「意図的な練習」と呼ばれている。



成長はモチベーションにならない。
継続するためには、報酬を成長ではなく、
行為自体の中に見つけ出すことが必要だ。
今日も習慣を続けられた、
という「自己肯定感」を報酬とすること。
これは本当に重要だ。



人生で必要なものは無知と自信だけだ。
これだけで成功は間違いない。
マーク・トウェイン



何かを始めるときは
「とりあえずやってみる」ことが重要
だと言われるし、僕もそう思う。



もし、自分なりの成長の機会を開拓していかなければ、
世間に用意されている「お仕着せ」の楽しみしか喜べなくなってしまう。
遊園地もスマホのゲームも楽しい。
それは誰も楽しめるように設計されているから。
しかし「こうやって楽しんでくださいね」
という楽しみ方が決まっているものは、
いつしか飽きてしまう。
そうやっていつしか自分自身に飽きる。



今持っているもので飽きずに満足できた方が人間は幸せなはずだ。
しかし、今持っているものに飽きて、
新しいものを人間は求めるように本能は仕向けられている。
だから、どこまで行っても悩み、不安が出てくる。
人はそれを見つけてくる天才なのだから。
どんな環境にも慣れ、飽きる。
人はその機能によって繁栄したのだから。
悩みや不安。それは自分の問題と捉えるより、
生まれつき人に備わってしまっている仕組みだと
考えたほうがいい。


安心して眠れ、不足なく食べられて、
気の合う友人や愛する人がいる。
それを満たした後の人は、どこまで行っても、
そこそこに幸せで、そこそこに不幸なのだ。



苦しみはなくならないよ。
苦しみでなくなるんだよ。
永井宗直








「いまこの1秒の集積が1日となり、
その1日の積み重ねが
1週間1ヵ月、1年となって、
気がついたら、あれほど高く
手の届かないように見えた
山頂に立っていたと、
いうのが私たちの
人生のありようなのです。」
(稲盛和夫)





なんしか、カッコいい大人になろう。


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