2020年2月18日火曜日

【100年前のパンデミック】スペインかぜとは、何だったのか【1918-1919年】

スペインかぜは、
人類が遭遇した
最初のインフルエンザの大流行(パンデミック)であると
言われています。

発生源は、1918年3月のアメリカ合衆国です。
当時は第一次世界大戦中で、世界で情報が検閲されていた中で
中立国であったスペインが感染情報の初出だったためこう呼ばれています。

最終的に、感染者は5億人以上、死者は5,000万~1億人に及び、
当時の世界人口は18~20億人であると推定されているため、
全人類の3割近くが
スペインかぜに感染したことになります。

犠牲者が主に若い健康な成人だったそうです。
感染者が最も多かった高齢者は、基本的にほとんどが生き残ったが、
若い健康な成人が、大量に死亡した。
第一次世界大戦の全戦没者が1,000万人と言われているので相当な数です。

なぜ若い健康な成人が大量に犠牲になったか、



これには1889年以降に生まれた人々は、
1918年に流行した種類のインフルエンザウイルスを
子どもの頃に経験していなかったため
免疫を獲得していなかったためだと言われています。

また、戦争の劣悪な環境も、
スペインかぜの流行の要因の一つ
となったと考えられています。

この大流行により多くの死者が出て、
徴兵できる成人男性が減ったため、
世界大戦の終結が早まったともいわれています。

実際、第一次世界大戦中、
ドイツ軍の勝利が目前とされていた時期にスペインかぜが流行し、
ドイツ軍の被害は特に甚大で、多くの兵士が亡くなりました。
そして、劣勢だった連合国軍にアメリカの援軍が到着し、連合国軍の形勢逆転。
ドイツの降伏をもって休戦協定が結ばれたのです。


スペインかぜの病原体は、
A型インフルエンザウイルス(H1N1亜型)です。

H1N1亜型で、鳥インフルエンザウイルスに由来するものであった可能性が高いことが
証明された。
スペインかぜはそれまでヒトに感染しなかった鳥インフルエンザウイルスが突然変異し、
受容体がヒトに感染する形に変化するようになったものと考えられています。
つまり、
当時の人々にとっては全く新しい感染症であり、
スペインかぜに対する免疫を持った人がいなかったことが、
この大流行の原因だと考えられているのです。


流行には大きな3つの波がありました。

第1波は1918年3月に
アメリカ合衆国デトロイト市やサウスカロライナ州付近などで最初の流行があり、
アメリカ軍のヨーロッパ進軍と共に大西洋を渡り、5〜6月にヨーロッパで流行した。

第2波は、1918年秋に
ほぼ世界中で同時に起こり、
病原性がさらに強まり、重篤な合併症を起こし死者が急増した。

第3波は、1919年春から秋にかけて、
第2波と同じく世界で流行した。


また、
最初に医師・看護師が感染してしまい、
医療体制が崩壊してしまったため、
感染被害が拡大したとも言われています。

この経緯を教訓とし、2009年新型インフルエンザの世界的流行の際には、
インフルエンザワクチンを医療従事者に優先接種することとなったといわれています。

1957年のアジア・インフルエンザも
2009年のインフルエンザもスペイン風邪のウイルスと同根とみなされています。
スペイン風邪のウイルスの子孫は、
100年経ってもまだ地球上に生き残っているのです。



奇しくも100年を経て
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
がパンデミックの様相を呈してきました。
過去の事例を参考にしてみてはいかがですか。
第3波までと考えると
2021年も同じように全世界で流行しているかもしれません。



私個人的には、ワセリンは有効だと思っています。
鼻の中に直接塗って、物理的にブロックするのですから。
家族全員インフルエンザで倒れた時も私だけ助かったのは
きっと、ワセリンのおかげだと思っています。
花粉にも有効ですね~。

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