2020年12月24日木曜日

【読書】あなたの知らないあなたの強み

 「宇宙兄弟とFFS理論が教えてくれる あなたの知らないあなたの強み【自己診断ID付き】 / 古野 俊幸」を読みました。


自己診断ができるというのは、うれしくもありながら

なんだか、気恥ずかしいものですね。

結果が出てから、受け入れるまで一瞬「!?」となりますが、

そう言われればそうかもしれないってすぐ思えるから不思議です。


人を5つの要素で分析し、特性を解説。なかなか興味深い本でした。


<「いい人と思われたい」気持ちが殺すもの>という章は、

なかなか私の胸に突き刺さるものがありました。

一読の価値のある良書です。

いつものように、自分の為に残しておきます。




成功した人たちには、共通点があります。

「自分の特性を理解し、強みを活かし、

弱みは仲間と補完している」ということです。



上手くなくてもいいし 間違ってもいいのよ 

まずは音を出して 音を出さなきゃ 音楽は始まらないのよ



「あなたは、何のために働いていますか?」

「子どものため」と答える人が結構いるので、「子どもはいずれ巣立っていきますよ」と返すと、「うーん。他に思いつきません」と答えるのです。



「大欲は無欲につながる」

最初は、「自分の子どもの幸せのため」が働く理由でもいいのです。

そこから発展させて、

「自分の子どもの友達が不幸せだと、自分の子どもも幸せを感じないから、友達の幸せも願う」

→「その友達の家族が不幸せだと、友達も不幸せなので、その家族の幸せも願う」

→「その家族のご近所が不幸だとその家族も不幸なので、その友達家族のご近所の幸せも願う」

→「その地域の人たちが不幸だと…」というふうに、さらにさらにと、広げていきます。

「欲」を大きく広げていけば、世界の人々の幸せを願うことになる。

その結果、「全ての人の幸せ」を願うことになれば、ある意味で「無欲」に通じる、という教えなのです。


任せる以上は、口を出さない。

これが師匠に求められる「潔さ」です。

「丸投げ」とはまったく別物であることが理解できるのではないでしょうか。



おばさんに頼まれた「垣根のペンキ塗り」を、

トム・ソーヤが面白いゲームに変えるというエピソードが紹介されています。

「つまんない」と思ってやらないのではなく、

自分がやらずに済むためにはどうすればいいかと彼は考えたのです。



「皆がやりたくなればいい」とひらめいたトム・ソーヤ。

「この仕事は特別なんだ。だから俺にしか任せられないんだ」と楽しそうに、

誇らしげに取り組んでいると、

その様子を見て「少し手伝わせて」と友達が寄って来ました。

トム・ソーヤが「駄目だ。しっかりした子にしか任せてもらえないんだから」と断ると、

友達は勝手にペンキ塗りの仕事に特別感を感じて、

我も我もと刷毛を手に持ちます。

トム・ソーヤはこのプロセスをゲームとして楽しみ、

人の気持ちをコントロールできることで、

さらに楽しみが大きくなっていくのでした。



上司は、「拡散性」の高い部下に対して

「目の前の仕事がいかに興味深いのか、面白いのか」を伝える必要があります。

もちろん、仕事自体に変化はないですし、

ルーティンワークの場合は面白くないかもしれません。

それでも、仕事の意味づけは変えられます。



アズマ自身は、宇宙飛行士には、

死ぬ覚悟より「生きる覚悟」が必要だと考える人です。


アズマは、ヒビトに先を越されたことを妬んでいるわけではない。

打ち上げが成功したことを純粋に喜んでいてくれている。

そして、こうも思いました。

「あの瞬間、ヒビトが吾妻さんを尊敬してしまう理由がわかった気がした」

「この人のことを本当に理解している人間は少ないんじゃないだろうか」


無骨で不器用だけど、頼りがいのあるリーダー

・顧客や世の中のあるべき姿に対して、真摯に向き合っている

・私心なく、正義を貫こうとしている

・自分勝手、独りよがりではない

・「組織の理論」に媚びていない

以上の言動が目立ち、結果的に周囲から煙たがられている人がいたら

ついていく価値があるかもしれません。


「弁別性」

「来る者拒まず、去る者追わず」必死でついて来ようとする生徒には、

ちゃんと支援し、導く。

その結果として、成長する人もいればしない人もいる。

それはあくまで本人の自己責任。


静止に関わる事故のさなか、

パニックに陥ってもおかしくない船内でブライアンは、

「できることはやろう」と的確な指示を出します。

冷静に記録を残すことが「事故調査で役に立つ」と平然と言い放ちます。

壮絶なまでの、自らの任務への忠実さ。

「凝縮性」の高い人に見られる任務への責任感であり、ブレのなさです。

どんな状況でも冷静でいられる強さも感じます。


リーダーシップが生得的な潜在力に強く影響を受けているのであれば、

誰もが「ブライアンのような強いリーダー」になる必要はないのです。

その人の持っているものを、どうリーダーシップに活かすか、と考えるべきなのです。



ブライアンと対照的なもう1人のリーダーが登場します。

ブライアンの兄のエディ・Jです。

ブライアンとともに、

宇宙飛行士やNASAスタッフから憧れと尊敬を集める存在です。

ただし、カリスマ性の強いブライアンとは違い、

「温和なリーダー」として愛されています。

ムッタはエディを「安心と興奮を与えてくれる人」だと感じました。



「いい人と思われたい」気持ちが殺すもの


「受容性」の特性をプラスに活かすには、

ちょっとしたコツが必要です。


今、日本の組織で猛威をふるいはじめているのが、

「いい人と思われたい上司」なのです。

職場で人が育たない一番の原因とさえ言えます。

このタイプの上司は、大抵「優しくて面倒見のいい上司」と思われています。

組織を、部下を殺してしまう上司になる危険性を持ち合わせているのです。


「受容性」の高い人は、

「人の面倒を見ることで、自分の存在を確認できている」

という側面があるのです。

面倒を見ることは、自己承認に欠かせない行動なのです。


上司の「優しさ」が、なぜ部下育成に逆効果なのか。

1つは、成長するには「自らの限界を知る」という経験が必要だからです。

上司が「優しさ」を勘違いしてお節介を焼けば、

その機会が失われてしまうのです。


もう1つの理由は、自分にも部下にも「甘え」が生まれることにあります。

上司が手を貸した場合、自分が関与したことなので、

結果が芳しくなくても、甘い評価になりがちです。

その結果、部下も「このレベルでいいんだ」

と低いレベルで納得してしまうのです。

首尾よく結果が出ても、

出なくても部下の成長機会を奪うことになってしまいます。


上司が備えるべき「本当の優しさ」とは、

どのようなものでしょうか。

本当の優しさとは、「部下の自立を促す」ことに他なりません。

「自立を促す」とは、親元からの「巣立ち」を応援することです。

巣立ちができたかどうかの評価は、長期的なスパンでしか測れません。

日々の付き合いや評価が気になると、

部下に優しく接したくなりますが、

それは近眼的で、

「人を育んでいく企業文化作り」とは真逆の方向です。


求められているのは「優しさ」を勘違いしないことです。

その場限りの優しさは、単に甘いだけで、

部下の自立を促していません。

子離れができない親にも通じます。


シャロンは、自分からは決して言い出しません。

相手が思い出すように、そっと仕向けています。

そして、ことあるごとに「思い出した?」と投げ掛けることで、

約束を確認します。

確認できたら「うれしいわ」と一言。

これがほぼ変わらないルーティンです。

期待を表明するわけでもなく、強く指導するわけでもありません。

あくまでも相手を「見守る立場」です。

ここに「受容性」の強みが発揮されています。


米国のメーカー、スリーエムには、

マネジメント向けにこんな警句があったそうです。

「口を挟みたくなったら、唇を咬め」

まさに「口を出すな」ということなのです。

部下を育てるには、程よい距離感を保ち、突き放すことが肝心です。


部下から頼ってもらえないことに寂しさを感じるかもしれません。

そう思ったらこう唱えるのです。

「寂しいのは自分」「甘えたいのは自分」そして、

部下のために耐えるべき時は耐えましょう。


日本人の個性を分析すると

「受容性」と「保全性」の高い人が55%を占めます。

「受容・保全」タイプの人が優れたサーバント型リーダーを目指す際に、

頭に留めておくとよいイメージがあると考えています。

それは、「猛獣使いになる」ということ。



「異質」を避け「同質」を置きたくなるのが人の常。


似た者同士で回りを固めているリーダーの組織は強くなれません。

異質のメンバーを近くに置いている人こそが優れたリーダーなのです。


サーバント型のリーダー像をわかりやすく説明すると、

「暴れん坊の孫悟空を、手のひらの上で遊ばせられる度量を持つお釈迦様」

のような存在です。

「拡散性」の高い人(例えば孫悟空)を上手くその気にさせて、

活躍してもらい、組織としての成果を引き出してきちんと刈り取ります。

その際、「受容性」の高い人は、人のやる気を引き出すのが得意ですし、

「保全性」の高い人は、仕組み化して組織を運営する能力に焚けています。

逆に言えば、「受容・保全」タイプの人が、

自分の強みを発揮してチームに貢献するには、

孫悟空の存在が必要なのです。


優れたリーダーは、

異質な人材を適所に配置し、活躍させられる人です。


「宇宙兄弟」にスーパーマンは出てこない。




「グーみたいな奴がいて

チョキみたいな奴もいて

パーみたいな奴もいる

誰が一番強いか

答えを知ってる奴いるか?」

(南波 六太「宇宙兄弟」より)



 

 なんしか、カッコいい大人になろう。


ちなみに、私の診断結果は、

「凝縮性・保全性」の 「真壁ケンジ」でした~。


noteやってます。興味のある方は是非どうぞ。
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