2013年12月5日木曜日

【読書】君たちはどう生きるか

「君たちはどう生きるか /吉野 源三郎」
を読みました。

池上彰さんが
今の若者に読んでほしいと思う本として
紹介されていた本です。

前から興味があり、ようやく読むことができました。
なるほどこれは、読んで損はない。
いや、読まないと損だと言ってもいいかもしれません。良書です。

この本が発行されたのは、1937年、戦前だそうで、
約80年程も前に書かれた本であることに驚きました。
普遍のメッセージというのは、時を経ても輝きは失わないことの
証明といってもいいでしょう。

もちろん、当時の中学校は、義務教育ではありません。
戦争へと傾く情勢の中で、反戦的なニュアンスも読み取れるので
この本が検閲を通り発行されたことも考慮すると
ますます、すごい本だったと思います。

中学2年生の「コペル君」が、学校の友人や
「叔父さん」とのふれあいの中で成長していく物語。
特に、叔父さんの書いたノートには珠玉の言葉たちがちりばめられていました。
(自分のために、心に残った本文を抜粋・一部変更して残しておきます。)


潤一君がコペル君と呼ばれるようになったかの由来は、
地動説を唱えた、コペルニクスからです。

それまでは、みんな天動説を信じていた。
これは、キリスト教の教会の教えで、
地球が宇宙の中心だと信じていたせいもある。
しかし、もう一歩突きいって考えると、
人間というものが、いつまでも、自分を中心として、
ものを見たり考えたりするという性質をもっているためなんだ。
これの2つの考え方は、天文学ばかりのことではない。
世の中とか、人生とかを考える時にも、やっぱりついてまわることなのだ。

自分中心の考え方を抜けきっているという人は、
広い世の中にも、実にまれなのだ。
殊に、損得に関わることになると、
自分を離れて正しく判断してゆくということは、
非常に難しいことで、こういうことについてすら、
コペルニクス風の考えの出来る人は、非常に偉い人といっていい。

今日、君がしみじみと、
自分を広い広い世の中の一分子だと感じたということは
本当に大きなことだと、僕は思う。
それは、天動説から地動説に変わったようなものだから。


立派な考えを持たずに、
立派な人間になることは出来ないのだから。

人間が集まってこの世の中をを作り、
その中で一人一人が、
それぞれ自分の一生をしょって生きてゆくということに、
どれだけの意味があるのか、
どれだけの値打ちがあるのか、
僕はもう君に教えることが出来ない。
大人になってからもまだまだ勉強して、
自分で見つけてゆかなくてはならないことなのだ。

難しい言葉でいいかえると、
常に自分の体験から出発して正直に考えてゆけ、
ということなんだが、
このことは、コペル君!本当に大切なことなんだよ。
ここにゴマ化しがあったら、
どんなに偉そうなことを考えたり、言ったりしても、
みんな嘘になってしまうんだ。


肝心なことは、世間の眼よりも何よりも、
君自身がまず、
人間の立派さがどこにあるか、本当に君の魂で知ることだ。
そうして、心底から、立派な人間になりたいという気持ちを起こすことだ。
いいことをいいことだとし、悪いことを悪いことだとし、
一つ一つ判断をしてゆくときにも、
また、君がいいと判断したことをやってゆくときにも、
いつでも、君の胸からわき出て来る
いきいきとした感情に貫かれていなくてはいけない。
北見君の口癖じゃあないが、
誰がなんていったって――」というくらいな、
心の張りがなければならないんだ。

繰りかえしていうけれど、
君自身が心から感じたことや、
しみじみと心を動かされたことを、
くれぐれも大切にしなくてはいけない。

僕たちは、出来るだけ学問を修めて、
今までの人類の経験から教わらなければならないんだ。
そうでないと、どんなに骨を折っても、
そのかいがないことになる。
骨を折る以上は、
人類が今日まで進歩して来て、
まだ解くことが出来ないでいる問題のために、
骨を折らなくてはうそだ。

今の世の中では、
残念ながら人間は、人間同志、
地球を包んでしまうような網目をつくりあげたとはいえ、
そのつながり、は、まだまだ本当に人間らしい関係になってるとは言えない。
だから、これほど人類が進歩しながら、
人間同志の争いが、いまだに絶えないんだ。

では、本当に人間らしい関係とはどういう関係だろう。
――君のお母さんは、君のために何かしても、
その報酬を欲しがりはしないね。
君のためにつくしているということが、そのままお母さんの喜びだ。
君にしても、仲のいい友だちに何かしてあげられれば、
それだけで、もう十分うれしいじゃないか。
人間が人間同志、お互いに、好意をつくし、
それを喜びとしているほど美しいことはほかにありはしない。
そして、それが本当に人間らしい人間関係だと。

たとえ豊かな暮らしをしたからといって、
それで自分が何か偉いもののように考えたりしないように、
いつまでも、自分の人間としての値打ちに
しっかりと目をつけて生きてゆかなければいけない。
貧しいことに引け目を感じるうちは、まだまだ人間としてダメなんだ。
しかし、自分自身に向かっては、
常々それだけの心構えをもっていなければならないにしろ、
だからといって、
貧しい境遇にいる人々の、傷つきやすい心を
かえりみないでもいいとは言えない。

いいか、よく覚えておきたまえ、
――今の世の中で大多数を占めている人々は貧乏な人々だからだ。
そして、大多数の人々が人間らしい暮らしが出来ないでいるということが、
僕たちの時代で、何よりも大きな問題となっているからだ。

残念な話だが今の世の中では、
からだをこわしたら一番こまる人たちが、
一番からだをこわしやすい境遇に生きているんだ。
粗悪な食物、不衛生な住居、それに毎日の仕事だって、
翌日まで疲れを残さないようになどと、ぜいたくなことは言っていられない。
毎日、毎日、追われるように働きつづけて生きてゆくのだ。


それだのに君には、いま何一つ、勉強を妨げるものはないじゃあないか。
人類が何万年の努力を以って積みあげたものは、
どれでも、君の勉強次第で自由に取れるのだ。

君の生活というものは、消費専門家の生活といっていいね。

こういうと、君は現在消費ばかりしていて何も生産していないことを、
非難されているような気がするかもしれないが、
僕は決してそんなつもりではない。
君たちはまだ中学生で、世の中に立つ前の準備中の人なのだから、
今のところ、それでちっともかまやしないんだ――
ただ、君たちは目下消費専門家なんだから、
その分際だけは守らなくてはいけない。

君は、毎日の生活に必要な品物ということから考えると、
確かに消費ばかりしていて、なに一つ生産していない。
しかし、自分では気がつかないうちに、
ほかの点で、ある大きなものを日々生み出しているのだ。
それは、いったい、なんだろう。

僕は、わざとこの問題の答えをいわないでおくから、
君は、自分で一つその答えを見つけてみたまえ。別に急ぐ必要はない。
この質問を忘れずにいて、いつかその答えを見つければいいんだ。
決して、ひとに聞いてはいけないよ。
また、ひとから聞いたって、
君がなるほどと思えるかどうか、わかりはしないんだ。
自分自身で見つけること、それが肝心だ。


コペル君!君の精神の眼を一度この広大な眺めの上に投げ、
そのはるかな流れの中に、偉人とか英雄とか呼ばれている人々を
眺め直して見たなら、君はどんなことに気がつくだろうか。
第一に君は、今まで君の眼に大きく映っていた偉人や英雄も、
結局、この大きな流れの中に漂っている
一つの水玉に過ぎないことに気がつくだろう。
次いで、この流れの中にしっかりと結びついてない限り、
どんな非凡な人のした事でも、
非常にはかないものだということを知るに相違いない。


ナポレオンは、封建時代につづく新しい時代のために役立ち、
また、その進歩に乗じて、輝かしい成功を次々におさめていったのだが、
やがて皇帝になると共に、ようやく権力のために権力をふるうようになって来た。
そして自分の権勢を際限なく強めてゆこうとして、
次第に世の中の多くの人々にとってありがたくない人間になっていった。
ナポレオンの権勢も、もう、
世の中の正しい進歩にとって有害なものと化してしまったわけだ。
遅かれ早かれ、ナポレオンの没落することはもう避けられない。
そして、歴史は事実その通りに進行していった。


英雄とか偉人とかいわれている人々の中で、
本当に尊敬が出来るのは、人類の進歩に役立った人だけだ。
そして、彼らの非凡な事業のうち、
真に値打のあるものは、ただこの流れに沿って行われた事業だけだ。
人類の進歩と結びつかない英雄的精神も空しいが、
英雄的な気魄を欠いた善良さも、同じように空しいことが多いのだ。

人間の行いというものが、
一度してしまったら二度と取り消せないものだということを、
つくづくと知って、ほんとうに恐ろしいことだと思いました。
自分のしたことは、誰が知らなくとも、自分が知っていますし、
たとえ自分が忘れてしまったとしても、してしまった以上、
もう決して動かすことは出来ないのです。
自分がそういう人間だったことを、あとになってから打消す方法は、
絶対にないのです。

なぜ、男らしく、自分のしたことに対し、
どこまでも責任を負おうとしないんだい。

その後悔のおかげで、
人間として肝心なことを、心にしみとおるようにして知れば、
その経験は無駄じゃあないんです。
それから後の生活が、そのおかげで、
前よりもずっとしっかりした、深みのあるものになるんです。

苦痛を感じ、それによってからだの故障を知るということは、
からだが正常の状態にいないということを、
苦痛が僕たちに知らせてくれるということだ。
からだの痛みは、誰だって御免こうむりたいものに相違いないけれど、
この意味では、僕たちにとってありがたいもの、なくてはならないものなんだ。
――それによって僕たちは、自分のからだに故障の生じたことを知り、
同時にまた、人間のからだが、本来どういう状態にあるのが本当か、
そのことをもはっきりと知る。

同じように、心に感じる苦しみやつらさは
人間が人間として正常な状態にいないことから生じて、
そのことを僕たちに知らせてくれるものだ。
そして僕たちは、その苦痛のおかげで、
人間が本来どういうものであるべきというものであるべきかということを、
しっかりと心に捕らえることが出来る。

およそ人間が自分をみじめだと思い、
それをつらく感じるということは、
人間が本来そんなみじめなものであってはならないからなんだ。

人間である限り、過ちは誰だってある。
お互いに、この苦しい思いの中から、
いつ新たな自信を汲み出してゆこうではないか、
――正しい道に従って歩いてゆく力があるから、
こんなくるしみもなめるのだと。

僕たちは、自分で自分を決定する力をもっている。
だから誤りを犯すこともある。
しかし
――僕たちは、自分で自分を決定する力をもっている。
だから、誤りから立ち直ることも出来るのだ。

「学問や芸術に国境はない。」
全くこの言葉のとおりだ。
ヒマラヤ山脈とか、ヒンズークシ山脈とか、崑崙山脈とか、
アジア大陸の背骨といわれているけわしい山脈も、
また、タクラマカンのような大沙漠も、
結局、すぐれた芸術の前進をさまたげることができなかったんだ。

――昼間庭に立って感じた、
あの延びてゆかずにはいられないものは、
何千年の歴史の中にも大きく大きく動いているのでした。








“どう生きるか”とは、決して英雄の真似をすることではないという
時を超えたメッセージが私たちの胸を打ちます。必読です!


「この世は生きるに値する」
(宮崎 駿)

なんしか、カッコいい大人になろう。




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