2015年10月29日木曜日

【読書】インテル経営の秘密―世界最強企業を創ったマネジメント哲学

インテル経営の秘密―世界最強企業を創ったマネジメント哲学 / アンドリュー・S.
グローヴ
を読みました。

新米マネージャーにとってこれは、面白い読み物でした。
マネージャー必読ですね。ひと段階上の視点が身に付きました。
これは、何度も読み返さなければならない良書です。
今の自分の気になるところだけを、今の自分のために残しておきます。





マネージャーが大勢のいろいろな部下のやることをいちいち検査するとなれば、
それは干渉というものであり、大方は自分の時間の浪費となろう。
さらにまずいことに、上司が一から十まで詳しくチェックすることがよくわかってくると、
部下は自分のやる仕事について責任を取らないことに馴れてくるのである。


可変式(バリアブル)検査の原則が経営管理者の仕事に適用されれば
両方の問題はみごとに回避され、
しかもそれがマネージャーの生産性を改善する
重要なツールとなることがやがてわかるであろう。



身体でより一生懸命(ハード)にやるのではなくて、
もっと頭を使ってよりスマートに。



「テコ原理(レバッジ)」という概念を導入したい。



レポートの作成者はその説明の中で、
トラブル個所を確認し処理せざるを得ない。
そういう規律と思考を自らに課さざるを得ないところから、
レポートの価値が生じてくるである。

レポートは情報を伝える方法というよりは、
「自己規律訓練」の「手段」なのである。
レポートを「書くこと」は重要だが、
読むことは重要でないことが多い。



現場訪問は、管理の仕事を処理する上で
特に効果的かつ能率の良い方法となる。



マネージャーは情報を集めるだけではなくて、
情報の供給源でもある。
自分の部門の部下や、自分が影響を及ぼしている他部門の者にも
知識を伝えてやらなければならない。


三番目に大きなマネージャーの活動は、
もちろん意思決定である。
いうまでもなく、マネージャーの意思決定は、
ビジネスが直面している事実や問題点を
当人がどの程度よく理解しているかによって左右される。
だからこそマネージャーの生活では情報収集が非常に重要になる。
マネージャーが持っている「情報をベースに」すべてが決定される。
情報収集はマネージャーとしてのその他の仕事のすべての基礎である。



マネージャーは自分として望ましい解決の仕方を主張するが、
指示や命令を出しているわけではない。
しかしやっていることは、単に情報を伝えるよりというよりは強いことである。
これは個人あるいはミーティングを軽くつついて
自分の思う方向に進ませようとするので
「ナッジング(突っつき、とか一押し)」と呼ぶことにしよう。
これはマネージャーが常時行うきわめて重要な活動であり、
確乎として明確な指令となる意思決定とは慎重に区別しなければならない。
実際には、明瞭な決定の一つ一つはおそらく、
このナッジングを何回となく繰り返した結果生じるものなのであろう。




マネージャーが自分の仕事を真剣に考えていれば、
最も重要なマネージャーとしての価値観を仲間たちに身をもって示しているといえる。



マネージャーがしばしば部下に任せるのは、
ある一定の「タイプ」の意思決定である。
この際どのように任せれば一番よいのか。
意思決定の「プロセス」をモニターするのがよい。

われわれは部下に、承認申請を提出する前に
全体の事柄をよく考え抜くようにといってある。
そしてこの考えがどのくらいよくできているかを調べるために、
その申請書の審議会の場できわめて具体的な質問をする。
その答えに説得力があれば要求通りに許可する。
この方法でやれば、われわれが自分で細かいところまで調べなくても、
当人の考えが正しいかどうかを判断することができる。



マネージャーの予測の「手段」は何なのか。
その答えはごく簡単だ。「カレンダー」である。
カレンダーを生産計画の用具として使うには、
次の二つのことを責任もって処理しなければならない。


①時間が決定的な意味を持つ出来事と、
必要だが時間的にはそれほどではない出来事との間の穴を進んで埋め、
カレンダーを「積極的に」利用する方向に進むこと。

②処理能力以上の仕事に対しては、はじめからはっきりと「ノー」をいうこと。

時間は有限な資源なのであり、あることみ対し「イエス」と言ったら、
必然的に他のことにには「ノー」と言っていることを忘れてはならない。


次に適用できる生産原則は、「たるみ(スラック)」、
つまりスケジューリングに多少のゆとりを持たせることである。
そうすれば思いがけない電話がかかってきても、
その日のスケジュールがめちゃめちゃになることはない。
こうした、いささかの「たるみ」はぜひ必要なのである。



最後の原則。たいていの生産方式は、
すでに確立している手順を踏襲している。
管理の手順の価値は正式の規定などの中にはなくて、
確立に至った思考作用の中に含まれているということである。
すなわち、
マネージャーは、自分のやることを標準化しようとする際にも、
自分のすること、ならびに用いるアプローチについて
批判的に考え続けなければならない。


経営管理のテコ作用を構成する重要要素の一つは、
マネージャーがかかえる部下の数である。
充分な人数がいなければテコ作用が弱まるのは明らかである。
さりとて人数が多すぎれば動きが取りにくく、結果は同じになる。
マネージャーは、6人から8人の部下、
あるいはそれに相当する人を持つように心がけるべきである。



例えば、二時までは、執務中に付きどうしてもの場合を除き会わない。
但し、二時以降は会いたい人には誰でも会う。
ここで大事な点は、仕事の邪魔をする人は
それなりに処理してもらいたい正当な問題を抱えているものだと
理解してやることだ。
要は、マネージャーの問題の処理の仕方に
一つの「型(パターン)」を設けることである。
かつては不規則だったものを規則的にするのが、
基本的な生産の原則であり、
この原則がマネージャーを悩ます中断を
いかに処理するかを教えてくれる。


私の同僚の一人がある若手を雇い、
古い仕事の一部を任せて自分自身は新しい仕事にかかることにした。
その部下は仕事がうまくできなかった。
その同僚の考え方はこうだった、
「彼らは自ら間違えを経験しなければならない。
そうして次第次第に覚えてゆくものなのだ」と。
この場合の問題は、部下の授業料を顧客に払わせていることにある。
これは絶対に正しくない。
部下に物事を教える責任は必ず上司が負わなければならないし、
組織の内外を問わず、顧客が支払うべきものではない。






「測れないものは達成できない。」
(アンディ・グローブ インテル創業者)



なんしか、カッコいい大人になろう。



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