2020年7月30日木曜日

【読書】人生は楽しいかい?

「人生は楽しいかい? / ゲオルギー・システマスキー (著), 北川貴英 (監修)」
を読みました。


ロシアの軍隊式格闘術「システマ」と、
社会人日常を題材にした自己啓発系の物語です。
その中の指令をこなすごとに、気づきを得られるというストーリー。
やはり、西洋も東洋も「呼吸」がポイントになってくるのですね。
なかなか本質を突くことを教えられた良書でした。

いつもどおり、自分のために重要なところを残しておきます。




今の兄ちゃんに必要なのは、
金でも、ルックスでも、仕事でもない。
「本当の自分」を取り戻すことなんや。


たいていのやつは自分が焦ったり、
急いでいること自体に気づいていないからな。
世の中の人間のほとんどは、
1日の大半をパニック寸前の異常な心理状態で過ごしている。
しかもそのことにまったく気づいていないのや。



自信をつける第一歩は、物事を観察し、よく知ることや。
身体の奥底に「知らない」という不安が残っていると、
人間は決して本当の自信を持つことはできないのや。





身体と心は一体や。
緊張すると身体は固くなる。
驚くとドキドキする。
不安が強いと呼吸が浅くなる。
自分の身体を観察することこそが、
自分の心を知る最高の方法なんや。


「いつでもここから逃げられる」という余裕があって初めて、
人と人とは「対等」になれるのや。


自分が緊張すれば相手も緊張する。
自分がリラックスすれば、相手もまた、リラックスする。
無駄に緊張してるやつほど、相手からの怒りや攻撃を受けやすいし、
攻撃を受けた時のダメージも深くなるのや。


緊張しすぎてもいないし、リラックスしすぎでもない。
そこが「平常心」やねん。
要するに「なんとなく大丈夫」という感覚こそが「平常心」やねん。


「なんとなく大丈夫」という身体の感覚を信じることが、
自分で自分の身を守る第一歩なんやで。


緊張したら「鼻から吸って口から吐く」や。
そうしたら平常心を取り戻せるのや。

普通の呼吸をする。
それこそが、どんなピンチにおいても「平常心」を取り戻す
もっとも強力な方法なんや。


心臓の鼓動を勝手に止めることができないのと同じくらい、
恐怖心をコントロールするのは難しい。
ところが、呼吸っちゅうのは不思議なんや。
基本的には意識しなくても勝手にやってるものやのに、
やろうと思えば意識的に
深くしたり、止めたり、早めたり、ゆっくりしたりすることができる。
つまり、呼吸は、意識と無意識の架け橋になるっちゅうことや。
つまり、意識的な呼吸によって、
無意識の緊張や恐怖心を、コントロールすることができるのや。


「ふーっ」と吐くことだけを意識せえ。
ちゃんと吐くことさえできれば、自然と呼吸は整うからな!


姿勢を整える。
簡単や。姿勢をまっすぐにして、リラックスして立つ。
そうすると呼吸も楽になるし、今よりもっと平常心を保ちやすくなるのや。


システマの「良い姿勢」ってのは、
「呼吸が乱れにくい姿勢」のことなんス。
つまり形じゃないってことっスね。
だから、
「良い姿勢を維持するために力んでいる」というのは
本末転倒だってことっスね。


平常心っちゅうことは、「普通」や。
「全力」とか「一生懸命」とか、完全に普通ちゃうやん。
人生は超長距離走なんやで。意味なく全力出しとるやつは、
必ず途中で倒れて走り切れなくなってまうのや。


何をやっているときでも必ず「3割の余力」を残す。
「手抜き」と「余力を残す」は違うんやで。


息を限界まで止めると
深い根源的な恐怖心にタッチできるのや。


システマでもっとも強力な「回復」技法。
「恐怖心のコア」にタッチしてから回復するってことをやると、
身体の奥底にたまった疲労やダメージを一掃できるんすよ。


客観的な情報や経験から「大丈夫」と思っても、
身体が発する「危険サイン」を無視したらあかんのや。


具体的な対策なんか考える必要はないねん。
身体と心に、最悪の事態のシミュレーションをさせておけ。
そうすれば、本当に何かが起きたときにも、自分を見失わなくてすむのや。
これがシステマ流のリスクマネジメントやな。


なぜ成功体験が足かせになるかと言えば、
人間っちゅうのは、うまくいった経験をパターン化したがる生き物やからや。
うまくいってるうちはそれでええ。
でも忘れたらあかんのは、
パターンにはまってるやつほど倒しやすい相手はおらんということや。


結局、変わり続けるしかないのや。
人間も組織もな。


神様が微笑みかけてくれるのは、
変化を恐れず、動き続けるものだけなんや。


「言葉にする」という作業には意味がありそうだ。


シェアリングタイムのポイントは、
必ず全員が発言すること、批判や否定をしないことや。
この原則さえ守っておけば、必ずみんなの学びが深くなるのや。


リーダーの仕事っちゅうのは、
要するに「部下に動いてもらう」ことやろ?
自分が何かをするんやなく、
人を動かすっちゅうことが、リーダーの本質や。


世の中には「こうすれば人は動いてくれる」というマニュアル本が仰山あるけどな、
とりあえず、あの手のやつは全部、ウソやと思え。
命令しても人は動かん。
何かを「任された」と感じたときに、初めて人は動いてくれる。
ただし、任せるっちゅうても丸投げとは違う。
ポイントはt、指示を出すときには必ず、
チームのメンバーに「自分で判断する余地を残す」ということやな。


人間というのは、
事細かに指示を出せば出すほど
「やる気」を失ってしまうもんなんや。


自分で判断し、行動することによって人の能力は最大に発揮されるのや。
だから、指示はできるだけ簡潔な方がええ。


この平和な国で生活する中で、
僕は知らず知らずのうちに、「生きる」ことを疎かにしてしまっていた。
仕事のため、健康のため、名誉のため、お金のため、恋愛のために、
「生きる」ことを犠牲にしてきたのだ。


世界的にも稀なほど「安全」な社会に住む僕たちは、
つい「死」の存在を、あるいは「生きる」ということの喜びを忘れがちだ。
生きることの喜びを全身で実感するということ。
これこそが、ゲオが僕に伝えたかったことではないだろうか。


「わしの夢は、すべての衝突を、
笑いによって癒していくことなんや。」
(ゲオルギー・システマスキー)




なんしか、カッコいい大人になろう。