ジェット・ブログ: 【日本史】「関ヶ原」から歴史を想う

2019年1月31日木曜日

【日本史】「関ヶ原」から歴史を想う

「関ヶ原」
滋賀県と岐阜県の県境付近。

ここは、日清どん兵衛の
関西味と関東味の分水嶺でもあります。

それはさておき、

この地域（不破≒青野ヶ原≒関ヶ原）は、
歴史的に見ても大きな意味を持つ重要な地域です。

「壬申の乱」　
「青野ヶ原の戦い」　
「関ヶ原の戦い」
があった地域です。

それは、地域的に
西の中央V.S.東の反乱分子
の構図がぶつかる場所
になるのでしょう。

最初の大きな戦いが
672年の「壬申の乱」です。
大友皇子(弘文天皇) V.S.大海人皇子(後の天武天皇)
つまり、
天智天皇の息子V.S. 天智天皇の弟
による戦いです。

この時、大海人皇子は、現在の関ヶ原辺りに本拠地を置きました。
そこで兵を集めて大和（奈良）、近江（滋賀）で大友皇子との戦いに勝利しました。
天武天皇として即位すると、不破、鈴鹿、愛発の三ヵ所に関所を置きました。
関ヶ原という場所の重要性を最初に認めた人物です。

667年、中大兄皇子は、都を琵琶湖のそばにある大津にうつし、
つぎの年には天皇の位につきました。
これが天智天皇です。「大化の改新」と呼ばれる政治改革を進め、
中央集権国家の建設を目指していた天智天皇（中大兄皇子）の崩御後、
弟の大海人皇子と、長子である大友皇子（弘文天皇）が戦いました。
翌年、大海人皇子は即位して天武天皇となりました。
これは古代史上最大のクーデターです。
壬申の乱のあと、大海人皇子は、都を飛鳥浄御原(奈良県)にうつし、
即位して天武天皇となりました。

勝者が天皇として即位した「壬申の乱」は、
関ヶ原の戦いの元祖と言ってもいいのかもしれません。
壬申の乱でいえば、正史上は長らく「大友皇子は簒奪を謀った者」ということになっていて、
即位もしてないことになっていました。
大友皇子が歴代天皇に加えられたのは明治時代になってからです。

史上はじめて「天皇」と呼ばれたのが、天武天皇です。
それまでは「大王（オオキミ）」と呼ばれていました。
「日本」という言葉も壬伸の乱以降に使われた言葉です。
飛鳥浄御原令（大宝律令の前身）の制定、
新しい都（藤原京）の造営、
「日本書紀」と「古事記」の編纂をしました。
天武天皇は壬申の乱で勝利をつかみ、
妻の持統天皇とともに律令国家の礎を築いた人物です。

※ただし、古代の話につきすべてが事実とは言えない可能性があります。

次の戦いが、
1338年の「青野ヶ原の戦い」です。
北畠顕家率いる奥州軍V.S.土岐頼遠率いる室町幕府軍
つまり、
南朝（後醍醐天皇）V.S.北朝（足利尊氏）
による戦いです。

この戦いは南朝方の勝利に終わるものの
その損害は激しく、その4ヶ月後に北畠顕家は討死。
南朝方は大打撃を受ける事になりました。
この戦いにより北朝と将軍権力は、
国の中央を占める権威・権力を確立することになりました。

青野ヶ原の戦いというのは、
鎌倉幕府が滅亡し、朝廷が南朝と北朝に分裂したのちに起きた大規模な戦乱。
南朝方の大将は、奥州の支配を任されていた北畠顕家。
後醍醐天皇の側近・北畠親房の嫡男で、武勇にも優れていた人物でした。
青野原の戦いは、勢いに乗る南朝方（北畠勢）と
畿内に入るのを阻止しようとする北朝方（足利勢）の、
美濃を舞台とした攻防戦でした。

ちなみに、
足利尊氏は、鎌倉幕府をたおして、室町幕府をひらきました。
（室町幕府があった花の御所は、現在の京都市上京区烏丸今出川上ル辺りで、
大聖寺門跡という寺院が建っています。）
京都ではじめて武家政権を作った男。源家の流れをくむ男でもあります。
歴史上、天皇と戦って勝った唯一の武士。
→「日本最大の逆賊」と呼ばれた男です。
（逆賊との見方があり、京都の時代祭にも室町時代の部分が2007年ごろまで無かったそうです）

武士を束ね、
後醍醐天皇の差し向ける新田義貞や楠木正成を倒し、
京を取りました。
これにより、南北朝時代がはじまりました。
その後の戦いの中で、青野ヶ原の戦いが起こります。
尊氏は、後醍醐天皇と共に鎌倉幕府を倒し、その後対立したが
南北分裂や正式な和解ができなかったことを苦悩していた。
（その結果が嵐山の天竜寺）

最終、三代将軍足利義満が、
北朝の後小松天皇と南朝と後亀山天皇の間を取り持ち、
弱体化していた南朝を北朝に吸収合併することで合意をしました。

三つ目の戦いが、
1600年の「関ヶ原の戦い」です。
石田三成率いる西軍V.S.徳川家康率いる東軍。

この戦いに勝った徳川家康は江戸に幕府を開き、
日本の中心が京都・大坂から江戸に移るという大変化がもたらされました。
これにより、東の反乱分子が西の中央に戦いを挑む
という構図は終焉を迎えたました。
戦国時代を終焉させ、その後の日本の支配者を決定付けた、
天下分け目の戦いと言われた「関ヶ原の戦い」です。

その後、約260年にわたる安定した徳川将軍による政権が生まれました。
江戸時代の日本は、幕末まで、200年以上もの間、戦争も大きな内乱もない平和な国で、
人口もほぼ2600万人のまま変化がない安定した社会だった。
海外では驚異的なことで「徳川の平和（パクス・トクガワーナ）」などと呼ばれている。
※元々は「ローマによる平和（パクス・ロマーナ）」を語源としている。

戦国時代を終わらせた関ヶ原の戦いは、
小早川秀秋の裏切りにより6時間程度で決着がついたと言われています。
戦国時代の始まりの応仁の乱の10年と比べると
あっけない幕引きでした。
（応仁の乱の発端は将軍家のお家騒動と、管領家の畠山氏の家督争いが重なったことにありました。スター不在の中、混沌としたこの争いは、10年以上続きました。
複雑な応仁の乱の情勢を理解するためのキーパーソンは、
暴れん坊 畠山義就(ハタケヤマヨシナリ)です。
また、ここから日本は、100年以上も続く戦国時代に突入しました。）

関西味

関東味

関ヶ原は、日清どん兵衛の
関西味と関東味の分水嶺でもあります。

＜日清のホームページより＞
うどんやそばには、歴史的に東西で味の嗜好に違いがあります。
弊社では「日清のどん兵衛」の発売に先駆けて行ったマーケティング調査によって、
関ヶ原付近に味の境界があることを突き止め、
全国展開のカップ麺としては初めて地域別に味を分けて発売しました。そして現在も、東日本と西日本で味を分けて販売を続けています。
きつねうどん、天ぷらそばの東日本仕様は
"かつおだし" をきかせたしょうゆ感のある色の濃いつゆ、
西日本仕様は
"昆布だし" をきかせただし感のある淡い色のつゆが特長です。
また、カレーうどんの東日本仕様は
"豚だし" とスパイスをきかせたこくのある濃厚なカレーつゆ、
西日本仕様は
"牛だし" と昆布、かつおの合わせだしをきかせた味わい深いカレーつゆが特長です。